朝日ぐんまって 朝日フォトコンテストコラム

上州日和 バックナンバー

「自分」の軸[12月28日号]

 「えっ、これって今年のニュースだったの!」 今日付1面掲載記事と画像をチェックしていた時、思わず口にした言葉だった。

 前橋育英サッカー部の全国初制覇から、平昌五輪金メダルリスト佐藤綾乃さんの凱旋パレードや漫画「お前はまだグンマを知らない」のアニメ化、100回を迎えた夏の高校野球、初の埴輪投票イベント開催、群馬ダイヤモンドペガサスの独立リーグ日本一まで、紙面をめくっていると記憶からすっかり消え去っていた18年の出来事が鮮明に蘇ってくる。

 そして、今年は弊紙にとっても35周年という節目の年だった。創刊以来、ハードとソフト両面の充実に努めてきたが、今までの変遷を振り返って感じたのは紙面に携わる者の思いの大切さだ。「どうしたら伝わるのか」「もっと面白くできるはず」‐足を使い、知恵を絞る、というアナログな制作スタンスは、デジタル全盛期にあっても何ら色あせることはない。

 そんなことをぼんやりと考えていた時、大いに励まされたのが今月のシニア号インタビューで画家であり作家である司修さんが語ってくれたメッセージだった。「時代と共に価値観や常識、評価は変わりますが、『自分』の軸をどこに置くかが大切だと思うのです」

 来春、「平成」という時代が終わり5月1日から新元号に変わる。激動の2019年。自分軸をしっかり持ちながら、世の中とじっくり向き合いながら、来年も読む人の心に深く響く紙面を作っていきたい。 (中島美江子)

沖縄旅行[12月21日号]

 先月、2泊3日の沖縄旅行に行ってきた。初めての沖縄は新鮮で、驚きの連続だった。亜熱帯の大木ガジュマルの壮大さや世界遺産首里城の風格ある佇まい。巨大な水槽を悠々と回遊する美ら海水族館のジンベイザメの迫力など観るもの全てに圧倒された。

 沖縄そばにアグー豚、ブルーシールアイスにパイナップルなど、食べ物や飲み物もおいしかった。伝統芸能エイサーを教えてくれた若者との出会いもテンションがあがった。青い海、白い砂浜、海なし県の群馬にないものがいっぱいあり、すっかり心癒された。

 ところが最終日。那覇空港近くでレンタカーを返却すると、「キーン、バリバリ」という戦闘機の大音量が響き渡った。流行の決め台詞ではないが、「ボーっと生きてるんじゃねーよ」と言われた気がして、ドキッとした。

 親しみと違和感。旅行中、様々なものが混在する沖縄に、戸惑いを感じた。振り返ると、嵐のCMで注目されたハート岩では海辺で楽しむアメリカ人家族に心が和んだ。一方、普天間基地近くの国道では米軍所有車両のYナンバーの車にあおられヒヤッ。たった3日間だったが、沖縄が抱える光と影が垣間見られ、居心地の悪さや戸惑いを感じたのも事実。

 毎日、辺野古の海に土砂が投入されるニュースを見聞きする。守り神シーサーを持って抗議する姿に心が痛む。沖縄で基地という現実に触れた者として、これからも沖縄に注目し気持ちを寄せていきたい。(谷 桂)

職 人[12月14日号]

 今秋、前橋のカネコ種苗ぐんまフラワーパークで、昭和をテーマに当時の生活用品や自動車などを展示する企画展が開かれた。その中で一際目に入ったのが映画看板。オードリー・ヘプバーンの美貌が際立つ「ローマの休日」、野性味あふれる三船敏郎の迫力ある殺陣を描いた「用心棒」…どの作品も生き生きとした役者の表情、特徴を捉え、色合いも鮮やかでその世界に惹き込まれていった。

 作品を描いたのは、映画全盛の昭和30年代に映画看板絵師として活躍した北村勝英さん(84=前橋)。映画館には飾られないが、当時の技法で描き続ける“現役”の絵師だ。絵具を作るために使う膠の香り漂う自宅には、これまで描いた作品がびっしり並ぶ。「年相応の格好だと絵も老けちゃうからね」と若々しい服装に軽妙な口調で思いを語ってくれた。

 私自身一度は新聞業界を離れ、建具職人の世界に飛び込んだこともあった。不器用さが仇となり1年余りで挫折したが、北村さんは80歳を超えた現在も精力的だ。映画と絵を心から愛し、追求する職人の生き方に脱帽する。

 来年4月に平成も終わり、昭和はさらに遠くなる。北村さんのような絵師の技術は受け継がれないのかもしれない。かといって、時代とともに移り変わることが悪いとも思わない。ただ、忘れ去るのではなく、思いや考えをすくい取り、活字で伝え残していくことが私たちの役割ではないかと感じる。言葉を紡ぐ“職人”を目指して精進したい。(林哲也)

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