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コラム 
総局長日記
最強の地域医療[5月26日号]

 長寿を誇り、かかる医療費も低いと全国のモデルに挙げられる長野県。きちんと食事をとり、適度に運動し、健診やがん検診で病気を早く見つけて治療することが秘訣と言われます。
 言うは易く、行うは難し。長い年月をかけて、保健医療の専門職とボランティアの住民が一緒に働いた結果です。「予防は治療に勝る」と、礎を築いたのが佐久総合病院名誉総長の若月俊一氏(1910〜2006年)。その名を冠した「若月賞」が毎夏、草の根で活動する人たちに贈られます。
 8年前、この賞を受けたのが、村上智彦医師です。財政破綻した北海道夕張市へ医療再生のため飛び込み、闘った人として知られます。病院を診療所に縮小し、多すぎる薬を減らし、住民に予防や自己管理の大切さを説き、事なかれ主義に陥る職員や行政と対立もしました。
 著書「医療にたかるな」(2013年)で若月氏も嫌がらせを受けたことを引き、「新しいことをしようとすると、地元の既得権益と戦ったり、内部に生じる権力欲と戦ったりすることは避けられない」と述べます。
 今年4月に出した新著「最強の地域医療」は、仲間とともに広げた実践を紹介します。人のつながりを重視しながら医療やケアをうまく使い、人材を育て、地域を守るモデル。自らの闘病経験を通し、最先端医療の中でも大事にすべき食事やケアを提示しました。
 今月11日、村上医師は56歳で他界しました。けれど、その理念と実践に共感し、地域社会を支えることを喜び、公共に尽くすことに使命感を持つ全国の多くの同志たちが、遺業を継いでいくはずです。(朝日新聞社前橋総局長 岡本峰子)

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上州日和
私とサッカー[5月26日号]

 私がサッカーに興味をもったのは、まだ新婚だった20年前、夫の影響だ。サッカー日本代表が、ワールドカップ・フランス大会への初出場をかけてアジア最終予選を戦い、悲願の本戦進出決定に日本中が歓喜した97年の冬。平素は物静かな夫が、いつになく熱い語り口で解説してくれるのを面白がっているうちに、そのスピード感や一瞬で勝敗がひっくり返るスリルに魅了された。
 やがて息子が小学生になると、少年サッカーチームに入団。子どもなりに相手の動きを読み、コースを選び、ボールを追って全力で走り回る姿を眺めるのは本当に楽しかった。高学年になり試合出場の機会が増えると、グラウンド脇で日がな応援する週末が増えた。当時サッカーは、もはや生活の一部だった。その息子も高校生になりサッカーからは離れたが、私にとっては相変わらず愛着を感じる競技のひとつである。
 先月28日付の弊紙1面で、5人制アマチュアサッカーの世界大会「F5WC」に、日本代表として挑む群馬チーム「デルミリオーレ クラウド群馬」を紹介する記事を担当した。彼らは昨年、同大会で準優勝だったチームに勝った経験もあり、初出場ながら充分に優勝を狙える実力を持つ。世界が遠かった20年前を思うと、夢のような話である。世界32カ国が集う「F5WC」は明後日28日、中国・北京で開幕する。群馬から世界の頂点へ!! 健闘を祈る。(野風・子)

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