「学校ノ先生2021 石野安親と岩崎孝」展

渋川女子高校の教壇に立った二人の画家 渋川で3月21日まで

渋川市の市美術館・桑原巨守彫刻美術館では、女子高の教壇に立ちながら作家としても活躍した2人の画家を紹介する「学校ノ先生2021 石野安親と岩崎孝」を開催中。美術教育に、創作活動に真摯に向き合い続けた2人の作品計53点を展示している。3月21日まで。

石野安親《谷川岳秋景》1978年 油彩 キャンバス

石野安親(1909~87年)は1950~73年に、岩崎孝(1930~2019年)は1981~91年に、それぞれ渋川女子高校の教壇に立った。

東京都出身の石野は、東京美術学校(現・東京芸術大)を卒業後、教師となり、42年群馬県に赴任。50年から20年以上にわたり渋川女子高の教壇に立ち、退職後も前橋育英短大で教鞭をとった。

岩崎孝《一時を待つ》1996年 油彩 キャンバス

一方、岩崎は中里村(現神流町)出身。1953年に群馬大を卒業後、小学校や中学校に赴任。59年伊勢崎女子高に転任後は、渋川女子高を含め約32年間女子高で美術教師として勤めた。

2人は美術教育の現場に立つ間も自身の創作活動を怠らず、それぞれ県展や公募展への出品、個展の開催など精力的に作家活動を行った。

今展では、写実的な作品を多く生んだ石野による、伊香保温泉の石段街や谷川岳などの風景画28点と、長く女子高で美術教育に携わってきた岩崎が、思春期と向き合う子どもらの内面を描いた作品25点を展示する。

同館学芸員の須田真理さんは、「教育現場で子どもたちへ注がれた一挙手一投足、美術の世界での作家としての制作活動など、それぞれを両立し続けた2人の真摯な姿を作品から感じてほしい」と話す。

午前10~午後6時。火曜休館(祝日の場合開館、翌日休館)。一般300円。同館(0279-25-3215)へ。

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