6月もあと数日。1年の半分って、あっという間だなと感じています。暑くなってきました。お体に気を付けて下さい。
先日、岐阜県瑞穂市の国道で、75歳の男性が運転する車が反対車線を逆走し、事故を起こすというニュースがありました。けが人がいなかったことは幸いでした。「逆走」「アクセルとブレーキの踏み間違い」。事故が起きると、聞くことが多くなったなと思います。
21日に閣議決定された2019年の「交通安全白書」によると、昨年の70歳以上の運転免許保有者は1130万人。30年前に比べると約10倍で、今後も増加が見込まれているとのこと。
群馬県は全国有数の車社会です。県のホームページを見ると、自動車1台当たり人口は「1・11人」で全国1位(2018年3月末)。運転免許を取得できる年齢を考えると、ほぼ1人が1台持っているという感じでしょうか。
事故を起こした高齢者がクローズアップされることが目立ちますが、交通安全白書では被害に遭った高齢者の多さにも触れています。昨年、交通事故で亡くなった方の55・7%が65歳以上の高齢者でした。30年前の22・7%から大幅に増え、過去最高です。
交通安全を考えるとき、運転する高齢者の事故防止策を検討したり、免許返納を促したりすることも重要です。でも、被害の視点もこれまで以上に大切にしたいと思います。事故を起こすのは高齢者ばかりではありません。私も肝に銘じて運転します。
信号機のない道路の横断歩道で、じっと車が止まるのを待った後、なぜか申し訳なさそうに渡るおばあちゃんがいました。歩行者優先なのに。
(朝日新聞社前橋総局長 熊谷 潤)