県民限定5000円キャッシュバック
泊まって応援キャンペーン予約殺到中
県は、新型コロナウイルスの影響で落ち込んだ経済の早期解消を目指し、県民限定の宿泊割引キャンペーン「愛郷ぐんまプロジェクト『泊まって!応援キャンペーン』」を5日からスタート。キャンペーンに参加登録している県内宿泊施設の利用料金から、1人1泊あたり5000円をキャッシュバックする。7月31日までの宿泊者先着30万人限定という、かつてない大盤振る舞いに多くの県民から各施設へ問い合わせが殺到しているという。
県内観光業の復活を後押し
プロジェクトの実施は、今月2日の県議会定例会で県が補正予算案の一部として提案し、4日に全会一致で可決するという異例の速さで決定。目的は、外出自粛や休業要請で苦境に立たされた県内観光業復活の後押しだ。7月31日までの宿泊者先着30万人限定で、人数に到達次第、キャンペーンは終了。財源には国の地方創生臨時交付金が充てられる。
県観光魅力創出課の青木学係長は、「県内の観光地はかつてないほどのダメージを受けているので早急に支援を行いたかった。コロナのガイドラインをしっかり遵守する事業者であることが参加条件であるため、県内の皆さんに安心して泊まりに来てほしい」と呼びかける。
利用者は登録宿泊施設を事前予約し、チェックイン時に身分証明書と申込書を提出すると精算時に1人1泊あたり5千円キャッシュバック(1千円は施設、4千円は県負担)される仕組みだ。宿泊費6千円以上に適用。最高3連泊まで可能で、日数を空ければ何度でも割引が受けられる。
渋川伊香保温泉観光協会の大森隆博会長は「プロジェクト開始日の前日、渋川伊香保地域の58施設が講習を受け、感染症に対する衛生基準『しぶかわ伊香保モデル』の基本的な考えを学びました。安心安全、オール渋川を合言葉に、心を一つにお客さまを受け入れたい」と力を込める。
利用喚起の独自サービス
9日午後6時現在の登録施設は450軒あまり。温泉旅館やホテル、民宿、ペンション、キャンプ場など多岐にわたる。県は、各市町村の観光協会などを通じてプロジェクトを周知している。みなかみ町観光協会の小野和明事務局長は「各施設に千円の負担は生じるが、落ち込んだ消費を取り戻すめったにないチャンス。積極的な参加を呼び掛けています」と語る。登録申請期限は19日までで、施設リストはHP上で随時、更新される。
プロジェクトを受け、各地で利用者限定特典もスタート。中之条では、町営施設などで割引などが受けられる「なかのじょう周遊チケット」(通常500円)を進呈し、四万温泉の宿泊者には四万の飲食店などで使えるクーポン「よってんべえパスポート」(同1000円)を無料配布する。
また、みなかみでは「みなかみ町アウトドア連合会」所属各社が、ラフティングやカヌーなどのアクティビティーが割引料金で体験できるキャンペーンを行い利用喚起を図っている。
近場の良さ再認識のきっかけに
高崎の旅館「はまゆう山荘」の塚越育法副支配人は「近場にも、こんなに趣のあるホテルがあったのかと再認識してもらえるよう心からおもてなしをしたい」と意気込む。前橋のホテル「オーベルジュ音羽倶楽部」の長澤孝博さんは「ここまで分かりやすく大きな割引サービス事業は初めて。当館の良さを知ってもらうきっかけにもなると思う」と期待する。
開始後、初めての週末に家族3人で宿泊したという40代飲食業の女性は、「コロナ禍で、我々と同じく打撃を受け苦しんでいる観光業を応援したい気持ちもあり、すぐに申し込みました。この3カ月、家族での外出を自粛していたのでリフレッシュできてよかったです」と満足そうに語った。同プロジェクト事務局(027・243・7274)