新鮮な卵から絶品スイーツを
農家の直営店やオンラインでゲット!
卵は「完全栄養食」と称されるほど、良質なたんぱく質をはじめ、ビタミンやミネラルなど栄養抜群の食材。県内にも、こだわりの卵を生産する養鶏場がたくさんあります。今月は、直営店舗やオンラインで購入できるぐんまの卵、それらを使用した人気のスイーツに加え、卵メニューの王道「卵かけごはん」の提供店や県産の卵専用しょうゆなども紹介します。
群馬の鶏卵事情
全国7位 農家数は減少も、飼養数は増加
県内の鶏卵の生産量は約9万㌧(2020年)。飼養羽数は803万3千羽(19年)で全国7位と上位にランクインしており、群馬の養鶏は盛んであることが伺える。市町村別にみると、飼養羽数が多い順に東吾妻、前橋、渋川、高崎、太田の順となっている。
養鶏農家の数を見てみると、14年には77戸あったが、昨年は53戸となり、一見衰退しているようにも見える。しかし、飼養羽数は721万6千羽だった14年に比べると逆に増えている。農家の数は減少しているが、一戸あたりの規模が大きくなっている。県畜産課によると、中小の農家が後継者不足などで廃業していく一方、企業的経営を行う農家が残り、各社が規模を拡大して生産コストを下げる努力をしているからではないかとのことだ。また、飼料等にこだわった銘柄鶏卵の生産や、プリンやカステラなどの6次産業化(※)に力を注ぐ農家も増えている。
※6次産業化とは、農林漁業者が生産(第1次産業)だけでなく、加工(第2次産業)、流通・販売(第3次産業)にも主体的・総合的に関わること(1×2×3=6次産業化)
のびのび育った純国産鶏が産む濃厚な味わい
前橋・後閑養鶏園
赤城南麓の前橋粕川町にある後閑養鶏園(後閑希代一社長)。父・千代壽会長が、体調の優れなかった母のためにと無農薬、有機栽培の野菜や米、卵の生産を始めたのは1961年。現在は希少な国産品種の「ゴトウもみじ」と「ゴトウさくら」あわせて1万羽を、自然の光や風の入る開放形の鶏舎で飼育する。餌は、遺伝子組み換えでないトウモロコシや大豆に、にんにくやオリゴ糖、自家製の有機野菜など厳選したものを、鶏の体調や四季に合わせて独自に配合。「千代の厳選卵」と名付けられたこだわりの卵は、前橋市の魅力ある産品として市が独自の基準により認めるブランド「赤城の恵」にも認証されている。
さらに、若い世代に農業や食のことをもっと知って欲しいとの思いから、NPO法人まえばし農学舎を仲間と共に設立。食育や農業体験のプログラムなども実施している。
卵
鶏の品種によって2種類の卵があり、褐色の殻をした「もみじたまご」は豊かな風味とコクが特徴で、卵かけご飯にオススメ。殻の色がほんのりピンク色の「さくらたまご」は泡立ちが良いので、焼菓子や卵焼きに最適
スイーツ
希少な初産み有精卵の黄卵をたっぷり使用し、生クリームで濃厚に仕上げたやさしい味の「ちよたまぷりん」(税込350円)、卵と生クリームを使ったとろける食感が特徴で自家製カラメルソース入りの「なめらかぷりん」(同220円)、牛乳と卵をふんだんに使った、昔ながらのしっかり固めの「カスタードプリン」(同200円)などのほか、季節のパウンドケーキやシフォンケーキも人気。詰め合わせセット(2000円~)は電話、FAXでも受付。作りたてを発送することも可能。卵とセットで前橋市のふるさと納税返礼品にもなっている。
【新鮮卵やスイーツの買える直売所】
本社直売所:前橋市粕川町膳67-2/営業時間:午後1:00~5:00/定休日:火曜/電話: 027-285-4125 FAX: 027-285-4263
ヒヨコから大切に育てた鶏が生む 最高級の赤玉卵
榛東・岩田養鶏場
榛名山麓の榛東村にある岩田養鶏場では純国産鶏「もみじ」と、「ボリスブラウン」という品種にしぼって飼育。厳選することで高品質で美味しい卵の生産に努める。「もみじ」は卵殻強度が抜群で商品価値の高い最高級の赤玉を生産。また、黄身のかたさや白身の盛り上がりの高さが特徴的な「ボリスブラウン」は高品質な卵を産み“赤玉鶏の王者”と呼ばれている。
餌は魚粉やカキガラ、ニンニク、ゴマなどを独自に配合。臭みが無く黄身が濃い卵が生まれるという。また、強く健康な鶏を育てる為にヒヨコから卵を産みだすまでの4か月強の間愛情を持って飼育を行っているという。
スイーツ
「岩田のおいしい卵」の卵黄をたっぷり使った「黄金プリン」が人気。このほか、カステラもある。プリンはオンラインショップで販売中。
卵
品種と餌、育成にこだわることで、卵本来の素直で味わいのある味を再現。昔ながらの濃厚な黄身の味わいが楽しめる「岩田のおいしい卵」は直売所やオンラインで購入できる。定期購入も可。
【新鮮卵やスイーツの買える直売所】
岩田養鶏場榛東直売所:榛東村長岡/電話:0279-54-7242/営業時間:午前9時~午後5時/1月1、2日のみ休業
ビタミンBや鉄分豊富 うずら卵の魅力伝える専門店
高崎クエイル
高崎と渋川に合計3カ所の農場を持つ高崎クエイルは、うずらの卵を生産、販売している。「クエイル」とは「鶉(うずら)」のこと。1952年に先代が養鶏場を30年以上にわたり営んで来たが、うずら卵が鶏卵以上に栄養価が高いことに着目し、92年にうずら専業となった。現在は全国のスーパーに並ぶうずらの卵の約20%のシェアを誇る。ふ化から飼育、採卵、商品化までを手掛け、プリンやカステラなどのスイーツも販売するうずら専門店「う玉屋」を昨年2月に高崎駒形線沿いにオープンした。
品種は「日本クエイル」。良質で高たんぱくの飼料に、殻を固くしてふ化率を高める「海洋土」、うずらの健康を保つ乳酸菌や納豆菌などを加えている。
卵
ビタミンB2はウナギの約2倍、ビタミンB12は鶏卵の約5倍、鉄分はレバー並み。生でも、ゆでても食べられる。
スイーツ
産みたての新鮮なうずらの卵で作った「ウズラタマゴカステラ」は濃厚でコクがある。プリンは「プレーン」、なめらかなくちどけが特徴の「プレミアム」、昔ながらの「かため」の3種。ジェラートやチーズケーキも人気。「う玉屋」で販売しているうずら卵の入ったジェラートは常時6種類(季節によって変わる)。シングルは390円、ダブルは485円。
【新鮮卵やスイーツの買える直売所】
う玉屋:高崎市新保町1714-6/電話:027-387-0876/営業時間:午前11時~午後6時/定休日:火、水曜