「この本いいですよ」と、知人から勧められた子ども向けの法律本「こども六法」(弘文堂)。ちょうど1年前に発行され、大人にも「分かりやすい」「こんな本は今までになかった」と評判のベストセラーになっている。
著者の山崎聡一郎さんは、小学校でいじめに遭い、中学では加害側になった経験から、「子どもを助けたい」と出版に漕ぎつけた。
刑法から刑事訴訟法や少年法、民法、民事訴訟法、日本国憲法、いじめ防止対策推進法まで、7章で構成。刑法の章では、「法律を知らないことは言い訳にはできないよ!」と呼び掛ける。一方、「いじめ防止対策推進法」の章では「大人にはいじめから子どもを救い、いじめをなくす義務がある!」と大人としての自覚を促す。
いずれの章も難しい法律用語は一切なし。簡単にかみ砕いて、今どきの文章にしてある。動物のイラストが、更に理解を助けてくれるのがうれしい。娘や息子が悩んでいた思春期に、そっと部屋に置きたかった。
今年は早々に学校が始まった。いじめ、コロナなど多くの相談が寄せられるこの時期に、トラブル解決のヒントが詰まった本を、まずは身近な人に渡したい。
(谷 桂)