「あなた50歳なんだって。俺のこと、何歳に見えるかな?」。ある交流会であいさつをさせていただいた後、会場にいた男性から声をかけられました。ロックバンドのボーカルでもやれば似合いそうなオジサマ。うーん。きっと若々しさに自信があるのだろうな。私より少し年上かな。
映画「クライマーズ・ハイ」で主演するなど、人気俳優の堤真一さんが50代半ば。見た目からするとそれぐらいだろうと思いつつ、「私と同じぐらいですか」。すると、男性はにんまり。「お、当たったか」と、私もにんまり。
ところが全然違いました。私よりふた回り近く年上の72歳とのこと。芸能人だと、岸部一徳さんや寺尾聡さんと同じくらいでしょうか。失礼にも、「マジですか」と聞き返してしまいました。ちなみに腹筋もカチコチでした。
男性は、13~16日に前橋市であった生涯スポーツの祭典「第40回記念国際・全日本マスターズ陸上競技選手権大会」の参加者でした。競技を通じて、中高年の心身の健康を大切にしてもらうのが目的で、今回は群馬県が会場。出場者たちの交流会に、主催者の一員として参加させていただきました。
この男性に限らず、みなさんお若い。よく食べて飲み、たくさん話し、そして歌うわ、踊るわ……。とにかく元気で明るい。会場にいて、とても楽しい気持ちになりました。男性は別れ際に教えてくれました。「若さって何もしなきゃ、なくなっちゃうよ」と。
大会のスローガンには、「いつも青春 ずっと青春」とありました。見習いたい!
(朝日新聞社前橋総局長 熊谷 潤)