芸人、ミュージシャン、俳優、声優など幅広く活躍する金谷ヒデユキさんが、芸人目線で世間を斬ります。不定期連載。
ピエール瀧逮捕に端を発した「爆笑問題太田光VSぜんじろう」どっちが先輩で、どっちが後輩なんだ問題。現時点では爆笑問題の太田光が「ぜんじろう!俺らのラジオに来い!直接対決しようじゃねーか!」とTBS『サンデージャポン』で煽りまくってヒートアップしております。何を隠そうワタクシ金谷ヒデユキ、この2人とほぼ同期、ほぼ同い年。なので今回はこの話題を。
まず個人的には、尊敬出来る後輩もいれば、年齢が上でもまったく尊敬出来ない先輩もいるので芸歴とか年齢とかはどーでもいいと思ってます。それを前提として、たまたまこの2人とは数十年のブランクを経て再会した経験があるのでその時のお話を聞いて下さい。2人の性格が出てるなーって話です。
まずはぜんじろうさん。久々に再会したら、彼の方から握手を求めて来ました。さすが海外でも活躍するスタンダップコメディアン。握手というよりシェイクハンド。力強く右手を握りしめながらこう言いました。「金谷さんお久しぶりです!これからはもうお互い、いがみ合うのはやめましょう!」
え?え?え?いがみ…合う…?お互いに…?え?いやいやいやいや、そんな事いっぺんも思った事ないよー。もしかしたら、そちらが一方的に「いがんで」いたかもしれないけど、こっちは何とも思ってないよー。少なくともいがみ「合って」はいないよー。そう告げる暇も与えず、彼はさっそうと去って行きました。
片や爆笑問題の太田光。以前も一度この連載でお話しましたが、私が一度お笑い芸人を辞める時に一番反対してくれたのが彼でした。「バーカバーカ!なんで辞めるんだよバーカ!せっかく売れたのにもったいねーだろ。音楽なんかやったって売れねーよバーカ!やりたいんならお笑いと音楽両方やりゃいいだろバーカ!」
そして数十年後の再会。
「バーカバーカ!やっぱり売れなかったじゃねーか!お笑いやれよバーカ!俺らのライブ出ろよバーカ!ゲストで呼ぶよバーカ!」
え?ライブに?ゲストで?呼んでくれるの?今までの人生で、こんなに嬉しいバーカの連呼は初めて。バーカバーカの裏に隠された太田光の優しさと愛情。もうちょっとで泣きそうでした。
そんな2人の対立。今までの話を踏まえた上で…、ワタクシは…、ぜんじろうさんを全面的に応援します。
バーカバーカ太田光!ぜんじろうさんじゃなくて、今話題の「おぼんこぼん師匠」をラジオのゲストに呼べよ!バーカバーカ!お願いしますバーカ!