前橋の名所をアーティストの髙橋匡太さんによる幻想的なライトアップでPRする「前橋望景プロジェクト」。これまで、「前橋公園」「広瀬川」「臨江閣」の3カ所で実施してきました。2017年8月から現在も実施している臨江閣は、本館と茶室は県指定、別館は市指定の重要文化財です。臨江閣が完成した明治43年頃の流行色で彩られる今回のライトアップは、ご覧いただいた方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。
このプロジェクトでライトアップされた風景と、前橋出身の詩人萩原朔太郎の詩をあわせた「前橋望景ポストカード『臨江閣』」が完成しました。実は第3弾となる今回は、これまでとは一味違い、朔太郎の詩だけでなく第22回萩原朔太郎賞受賞者である詩人、三角みづ紀さんに前橋を訪れていただき、滞在制作で書きおろした詩、三篇を使用しています。
三篇は、三角さんが現地で感じたことを瑞々しい感性で綴っています。いずれも現在の前橋の魅力を三角さんならではの目線で捉えたものですが、私個人は前橋のからっ風に揺れる臨江閣の窓を波に捉えた「夜の波」が特に好きです。是非みなさんにも、お手にとって読んでいただければと思います。
私の出身地、福岡県柳川市は朔太郎とも交流の深い詩人、北原白秋の育ったまちです。前橋に引っ越してからをその事実を知り、前橋との深い縁を感じました。故郷に偉大な詩人がいることは素晴らしいことです。出身地の話になり、「白秋のまちだね」と言われると、とても誇らしい気持ちになりますが、朔太郎が生まれたまちに住む人もきっと私と同じように感じていることでしょう。
ぜひ、遠くにいる家族や親戚、友人、もちろん近くの人にも、たまにはメールではなく「前橋望景ポストカード」で連絡をとってみませんか。みなさんの手紙が、前橋や朔太郎、そして群馬の魅力をさらに全国各地へ広げるキッカケになるかもしれません。