画廊翠巒は今月17日から25日まで、「藤原泰佑展」を開催します。1988年前橋生まれの藤原さんは東北芸術工科大学大学院修了後、2013年のシェル美術賞で木ノ下恵子審査委員賞を受賞するほか、本年「美術の窓」6月号「次に来るのは誰だ! 新人大図鑑2016」の表紙を飾るなど、近年の活躍が目覚ましい気鋭アーティストです。
画廊翠巒は1978年、前橋市文京町の地に県内では珍しい企画画廊として開廊しました。それまで県内には画廊はあったもの、場所貸をする貸画廊や画廊喫茶、事務所のみの絵画商やデパートの美術画廊が主流で、企画画廊は一軒もなかった時代です。
一般的に企画画廊という名称は馴染みがないかと思いますが、例えると歌手などが所属するプロダクションのような機能になります。作家を発掘し展覧会や個展を開催し、支援者(コレクター)を探すだけではなく、作品の方向性や展開方法をあらゆる面で共に考え、金銭的にもサポートしながら機能するタイプの画廊です。画廊翠巒は開廊以来、ずっとその姿勢を続けています。
近年の美術育成衰退傾向の経済状況の中で、こういったタイプの画廊は東京などの首都圏でもどんどん少なくなり、益々日本の若い作家は発表の機会が失われているようです。
今回の「藤原泰佑展」もそのような方針で開催する個展になります。多くの方々のご支援を期待し、今後も画廊を続けていけるよう精進していきたいと思います。