職場のエアコンが壊れてしまいました。ものすごく寒いです。室内にもかかわらず、同僚はマフラーを巻いたり、コートを羽織ったり。私もパソコンをたたく指や、足の先がかじかんできました。今回のコラムを無事に書ききれるかどうか……。ブルーな気分です。
いつも当たり前のようにあるもの。なくなって初めて、そのありがたさを認識することがしばしばです。でも元に戻り、しばらくすると、私はきっと忘れてしまうのです。
先日、宮崎県の県立高校で野球を指導している監督の講演を聞きました。部員11人だった野球部を、わずか5年で甲子園に出場させた実績を持つ方です。印象に残ったのが、「性格=口癖」。口癖が性格をつくるのだそうです。
確かに、陰口ばかりだと曲がった人になっちゃいそうだし、消極的な言葉だけでは、前に進めなくなるかもしれません。でも大丈夫。人は変われるそうです。そのために、監督は「魔法の言葉」を三つ教えてくれました。「ありがとう」「ツイてる」「感謝します」 。
理屈を抜きに、口癖にして悪い言葉ではありません。ではさっそく。エアコンよ、暑いときも寒いときも、快適な環境をつくってくれてありがとう。感謝します。壊れちゃったけど、明日、業者さんが修理してくれるなんて、ツイてる。おお、コラムを書き始めたときのブルーな気分が晴れてきた、かな。
(朝日新聞社前橋総局長 熊谷 潤)