第1回大学入学共通テストが、いよいよ明日16日から始まる。
前身の「センター試験」初回の受験生だった31年前を思い出す。出題傾向や難易度がどう変わるのか…。不安を抱え、勉強は思うようにはかどらない。成績も上がらず、涙を流す日々。そんな様子を見兼ねた友人たちはこっそり、筆者にゆかりのある人たち7、8人から応援メッセージを集め、試験前日にプレゼントしてくれた。
ユーモラスな日本史の先生、休み時間に雑談に付き合ってくれた国語の先生、密かに想いを寄せていた男子…。ノートの切れ端一枚一枚に、直筆の署名とコメントが書かれている。「がんばれよ」「最善を尽くせ」―短くてありきたりだが心に響く言葉一つ一つに、勇気が湧き、心が軽くなった。
テスト当日は、その「エールの束」をお守りとして持参。出来の良し悪しはともかく、おかげで緊張もせず自分の力を全て出し切ることができた。友らの粋な計らいと優しさそのものが、まさに「エール」だった。
試験方式をめぐる紆余曲折に始まり、過去に例のない苦難の連続だった受験生の皆さん。試練を乗り越えてきた自分を信じ、あとはベストを尽くすのみ。健闘を祈る!
(上原道子)