新型コロナウイルスの国内感染者数が拡大し、重症化リスクが高いとされる高齢者の割合が増える兆しも出ています。寒い季節を迎える中、病床や医療体制が逼迫する状況にならないように、一人ひとりがいっそう気を引き締めなければ。
コロナ禍の影響を受けていない人はほぼ皆無だと思われますが、とりわけ心配なのは進学や就職の岐路に立つ高校生たち。紙面にも「高校生の就活 コロナの影」「家計悪化で進学断念」「求人数減」といった見出しで深刻な状況が報じられています。
ただでさえ、1学期は感染拡大で一斉休校を余儀なくされ、先生方の懸命なご尽力によるオンライン授業などでカリキュラムをこなすのに精いっぱいだったはず。部活動のさまざまな大会も中止になり、これまでとは違う形式になるなどして、大きな夢を断たれた生徒が大勢います。
家計急変の影響で、志望校の変更や進学を断念せざるを得ない生徒も少なくないでしょう。就職市場も変調をきたし、ほとんどの業種で求人数が減少。宿泊・飲食サービス業などの減少幅は大きく、就活の選択肢も狭まっているのは間違いありません。
さんざん振り回されながらも毎朝、元気に登校する各校の生徒たちを見かけるたびに、胸の中で「頑張れ!」とエールを送っています。「コロナ禍でもやれることをやった」と胸を張り、自信と勇気、生きる糧につなげてください。頑張れ!
(朝日新聞社前橋総局長 本田 直人)