サクラ[12月13日号]

みなさま、お久しぶりです。12月に入って、関東で地震が続きました。なんだか嫌ですね。直後は、「備えをしなければ」と思うのです。でも、何ごともなくしばらくすると、つい油断してしまいます。だめですね。

今年9月にオープンしたばかりの高崎芸術劇場を舞台に、官製談合事件が起きました。高崎市職員ら3人が逮捕され、いずれもおおむね容疑を認めているといいます。そのうちの1人は政財界への影響力を持ち、「天皇」と呼ばれるほど権力に近かったようです。開発が進み、スポットライトを浴びてきた「商都」に、いつの間にか暗い闇が忍び込んでいました。

今後、全容が明らかにされると思います。なぜ、こうした事件が起きたのか。どうしたら防げるのか。事実をもとに、検証することが大切だと考えます。

そういえば10月下旬~11月初旬に、経済産業相と法相が辞表を出しました。相次ぐ閣僚の辞任は異常事態のはずですが、まだきちんと説明してもらっていません。これでは何もわからず、検証のしようがありません。何度も似たような光景を見て、そのたびにため息をついているような気がします。

「桜を見る会」。招待客の名簿を捨てただの、ナンダノカンダノ……。私は説明(?)を聞いても、頭が混乱するばかり。きれいなサクラを、汚い話に巻き込んでほしくないな。せめてそう願います。

(朝日新聞社前橋総局長 熊谷 潤)

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