緊急事態宣言が解除され、新しい日常が始まった。県内でも観光施設や文化施設、宿泊施設などが徐々に再開している。映画館や美術館、温泉旅館に話を聞く機会を得たが、担当者の言葉からはコロナ後の運営に戸惑いや不安、葛藤を抱えつつ、手探りで取り組む様子が伝わってきた。
弊紙も記事にする際、今まで以上に神経を使っているつもりだが、「この時期に花のスポットを紹介するのはいかがなものか」「『しゅうそく』は、収束ではなく終息だろう」など、読者の方から様々な意見を頂く。何かを提供する側も利用する側も、ナーバスにならざるを得ない状況は痛いほど分かる。とはいえ、必要以上に自粛、委縮することはないだろう。
コロナを受け、紙面作りは変わったともいえるし変わらないともいえる。変わった点は、当然だが対面取材が減り、リモートや電話取材が増えたこと。変わらない点は、「面白い、伝えたい」と思ったものを紹介すること。
コロナ前と後では求められる記事は違ってくるが、そこは試行錯誤を重ねていくしかない。変えなければいけないもの、変えてはいけないものを慎重に見極めながら、ソロリソロリと進んでいきたいと思う。
(中島美江子)