意外かもしれませんが、ラスベガスの雰囲気は群馬に似ています。山に囲まれた平地に、移動手段は自動車。競輪や競艇は無いけれど、カジノがある。利根川の代わりにコロラド川が流れ、空が広く、規模は違いますが空気感など共通点が多い。
僕がここに住み始めて、17年。職業は、美術作家。
2001年、ロスで個展を開催して以来、全米の様々な都市での展覧会に参加して来ました。夢中で絵を描き続けていたら、知らぬ間に美術が仕事になっていたという訳です。
ネオン輝く中心部から一歩外に出れば、静かな住宅街が広がっています。そこに、僕のアトリエがあります。人々が寝静まった頃に筆を持ち、人々が一日を始める頃に描き終える。静寂な夜、何からも邪魔をされる事無く一人制作に没頭すると、時間があっという間に過ぎてしまう、そんな毎日。
最近では絵を描くだけに留まらず、壁画の制作や展覧会の企画も手掛けています。企業からの依頼では打ち合わせを多くこなし、イベントや講義に呼ばれる事もあります。美術収集家にアート関係のアドバイスをしたり、取材を受けるのも仕事です。
さてここ数年、ラスベガス内での仕事が増えています。美術の重要さが認識されてきたのでしょう。ホテルには様々な現代美術作品が飾られ、観る者の心を癒しています。
また、公共のアートプロジェクトも人気で、街が一丸となって文化の向上に努め始めました。文化が根付けば、教育度は上がり経済の発展にもつながります。そして、何よりも、人々の生活が豊かになる。
少しずつですが、明るい未来のために、この街は前進しています。そんな街からお届けします。「アイ・ラブ・ラスベガス!」