「群馬県住みます芸人(※)」として活躍する、みどり市出身コンビ「アンカンミンカン」の川島大輔さんと富所哲平さん、富岡市出身の岩瀬ガッツさんの3人が、それぞれの立場から群馬に根差した独自活動を通して感じたことを、ユーモアたっぷりにつづります。月1回連載予定。
※2011年4月からスタートした「あなたの街に“住みます”プロジェクト」で、吉本興業の所属芸人が47都道府県に実際に住み地域を盛り上げいく活動。
3月も中旬を過ぎ、気候的には春の温かな日を感じることもある今日この頃なのですが、我々芸人にとって、いや、芸人に限らず舞台や劇場やライブハウスで生きる全ての人間に氷河期が訪れています。
そう、コロナウィルスによってです。僕たちだけでなく、全ての人に何かしらの影響が出ているのではないでしょうか。かく言う僕もこんなに仕事が無くなるのはお笑いが不謹慎だと言われた3・11以来。この度、突如全ての人に正念場が訪れました。
このコラムを書いている段階では、まだ開催の可否はわからないのですが、毎年春には高崎の群馬音楽センターで「IROCKS」というとても温かな音楽フェスが開催されています。ちなみに今年は4月10、11、12日に開催予定です。
このIROCKSは、僕も毎年出させていただいてるのですが、細部にまで主催である5人組バンド「LACCO TOWER」のこだわりを感じます。
出演バンドのラインナップはもちろんのこと、ライブが楽しいだけでなく雰囲気が楽しい、どこに行っても楽しめるので音楽フェスというより1つのテーマパークを作っているかのようなイベントです。
初期は完全にバンドのライブを楽しむイベントだったのですが、最近は音楽センターの中だけでなく外でオートバイの体験や、ザスパクサツ群馬のスタッフによるサッカー体験など、お子さまが楽しめる仕掛けがたくさんあって、年を重ねるごとにファミリー層や音楽好きだけでない層にも矛先を向けたイベントになっています。
このように僕も当事者として側で見ながら年々進化を遂げていることを感じるIROCKSですが、毎年すんなり開催というわけにもいってないことも同時に感じています。
出演バンドの体調不良や交通事故による突然の出演キャンセルや、その日まで準備を重ねてきた外での催しが悪天候で全て無しになる可能性があったりと、毎年何かしらのトラブルに見舞われているのを目の当たりにしています。
それと同時に、出演バンドの突然のキャンセルにはLACCO TOWER自らがその空いた枠の穴埋めをしたり、悪天候だと言われていたのにちょうどその時間だけ何故か晴れたりと、その都度柔軟な対応と奇跡で乗り越え、年々このフェスが強くなっているのを目の当たりにしているのもまた事実です。
そして今回、ついにコロナウィルスという過去最強のトラブルが襲ってきています。しかし、このIROCKSというフェスを当事者として体感してきた僕は、今回も乗り越えていくことを確信しています。
予定通りの日程になるのか、はたまた延期になるのかはわかりませんが、きっとお客様と出演者どちらから見ても最善の判断をしてくれると信じています。
こうしている今も、僕らが溜め込んでいるフラストレーションを爆発できるとんでもない現場になる予感がしてワクワクしています。
皆で今を乗り越えて、必ずやまた現場で会いましょう。その時が来るのを楽しみにしています。