スタンドはまばら、応援も拍手のみ。18日、いつもの夏とは違う雰囲気の中、県高校野球大会が始まった。敷島球場での開幕戦は、新田暁が前橋南にサヨナラ勝ち。試合は勿論、勝利後の内田監督の言葉が心に響いた。
「代替試合が出来ると信じて待とう」 全国大会と県大会の中止が決まった直後、そんな思いを込めた手紙を3年全員に手渡したという。「泣いている子もいた。いつグラウンドに立てるか分からない。でも、次に会う時は笑顔で会おうと言っていたら本当になった」と嬉しそうに語った。
話を聞きながら、高校時代の部活顧問を思い出した。手紙こそ貰ったことはないが、在学中もその後も的確なアドバイスで勇気付けてくれる、まさに「人生の恩師」といった存在だ。 今夏、代替大会が開かれる運動部もあればそうでない部もある。文化部もしかり。集大成の舞台に臨めず、複雑な思いを抱えている3年生も少なくないだろう。とはいえ、だからこそ部活ができる日常や仲間の大切さを見つめ直す絶好の機会ともいえる。
部活で得られるものは多く、自分にとっても顧問との出会いは大きな財産になっている。久しぶりに恩師に連絡を取りたくなった。
(中島美江子)