「やった方が良いよ」 昨年末、知り合いから勧められ遅ればせながら「ふるさと納税」を初めてやってみた。前々から気になっていたものの何となく億劫で躊躇していたが、「全国の特産物がもらえる上に税金まで控除される」と力説され駆け込みで申し込んだ。
初心者なので、ふるさと納税の最大手サイトから好物のイクラや地ビールなどを注文。数週間後、それらの商品全てが無事自宅に届き、家族みんなでおいしく頂いた。
が、各地の味覚を堪能した後に待っていたのは確定申告。会社勤めのため一度もしたことがなく何がなんだかサッパリ。知り合いと経理担当者に教えてもらいながら必要書類を揃え、提出期限2日前に住民票のある伊勢崎会場へ滑り込んだ。受付通路は長蛇の列。2時間近く待っただろうか。ようやく通された会場にビクビクしながら入っていく。スタッフがサポートしてくれて、手続きは数分で完了。あっという間だった。
面倒だったが、人生初の確定申告は今まであまり関心のなかった税制の仕組みや「大都市と地方の税収格差緩和」というふるさと納税本来の趣旨、返礼品の過熱競争による弊害など様々な問題に気付かせてくれた。
特産品に目がくらみ安易に飛びついた己を少し反省しつつ、来年度は自分が住む町の税収に加え、寄付先として気になる自治体を事前に調べた上で、ふるさと納税をするかどうか決めようと思う。
(中島美江子)