動物を飼いたい人も飼っている人も「きっかけ」の日に
3月20日は、動物愛護デー。1882年のこの日、日本で最初の動物園である「上野動物園」が開園したことに由来するという。9月20日から26日までの動物愛護週間は、その趣旨にふさわしい行事が実施されるように努めなければならないと法律で定められているのに対し、動物愛護デーは特に法的なしばりはない。では、どんなことをすればよいのだろう? 公益社団法人日本愛玩動物協会顧問を務める川口和清さん(高崎=66)に聞いた。 (飯塚ゆり子)
動物を迎えたい人は 動物を学ぶ日に
動物を迎えたいと考えている方に知っておいてほしいのは、「適正飼養」と「終生飼養」です。適正飼養とは動物の種類や習性を知り、動物が社会や近隣に迷惑を及ぼすことなく健康で快適に暮らせるよう育てること。終生飼養とは、動物がその命を終えるまで世話をすることをいいます。動物も人も「幸福なスタート」が切れるよう、まずは家族でよく話し合いを。いざというときの預け先、経済面、ライフスタイルと飼いたい動物の種類の相性などをよく調べ、全員の賛成・納得を得るのが大前提。犬の寿命は15年、猫はそれ以上と言われていますから、家族一人ひとりが自分の年齢に動物の寿命を足し、その中でどんなライフスタイルの変化があるか? を考えることをおすすめします。愛護センターで保護されている動物、成犬・成猫の受け入れも考えてほしいですね。成犬・成猫は慣れないのでは? と心配する人もいますが、家族として愛情をもって接するうちに慣れ、動物と暮らす楽しさを教えてくれます。そして、必ず最期まで共に過ごしてください。
すでに飼っている人は もう一度振り返る日に
難しく感じるかもしれませんが、動物に関する法律や条例を見てほしいですね。犬は法律で、登録をすること、年1回の狂犬病予防注射を受けさせること、鑑札と注射済票を飼い犬に装着することが義務付けられています。そのような義務は猫にはありませんが、たとえば高崎市では条例で、猫の室内飼いがうたわれています。法律や条例には意味があるので、この機会に知って、自分たちの状況を振り返ってみましょう。
そしてぜひスキンシップも楽しんで。触れ合うことで、異状を見つけやすくなるだけでなく、人も動物も幸せホルモンが分泌されることがわかっています。動物と暮らしているからこその特権ですから、存分に触れ合って動物も人も幸せになってほしいですね。
コロナをきっかけに 防災意識を高める
非常の事態のときこそ冷静になって情報に踊らされないこと。取り巻く状況が大きく変わったときに、自分の動物たちをどう守るかを、飼い主の責任として家族全員で考えていただきたいと思います。動物たちを守れるのは飼い主。災害時の避難ルートも含めた避難所の確認、首輪と迷子札、鑑札の装着、緊急持ち出し袋の準備をしておきましょう。