激しい雨が、九州に大きな被害をもたらしました。新聞の写真や、テレビニュースの映像を見ると、ショックです。暴れる濁流の様子を見せられながら、アナウンサーたちからは、「最大級の警戒を」と呼びかけられます。近年、こうした「何十年に1度」と表現される災害が、毎年起きているような気がしてしまいます。
私が新聞記者の駆け出しだったころにあった1995年の阪神・淡路大震災。以前から警戒されている東海・東南海地震までは大きな災害はないのでは、と勝手に思い込んでいたので愕然としました。もはや、地震や集中豪雨といった災害は、どこで起きても不思議ではありませんし、残念ながら起きています。不測の事態にどう備えるのか。防災を考えるときに、最も大切なことのひとつだと思います。
新型コロナウイルスがまだ、うろうろしています。東京では新たに確認された感染者が再び増え始め、「第2波」か、とも心配されています。これは想定されていたのか、それとも不測の事態なのでしょうか……。いずれにしても、みんなでがんばってきた「自粛」が水の泡、というのは絶対に避けたいです。
何がわかって、何がわからないのか。何を基準にどんな判断がされてきたのか。そんなことを共有できれば、いろんな備え方ができるのかもしれない。そう思います。
(朝日新聞社前橋総局長 熊谷 潤)