群馬は11カ所目の任地。増える荷物と旅を続けてきました。こっそり白状すると、煩わしい荷造りや荷ほどきは毎度、すっかり妻任せにして、仕事を口実に逃げてきました。今回は初の単身赴任となり、荷ほどきも道半ば。アラフィフにして整理整頓すらまともにできぬ情けない新生活なのです。
大汗をかいたのは、愛知県内の義弟に譲ってもらった「名古屋ナンバー」の中古車の移転手続きでした。前橋市役所で転入の諸手続きを終えて住民票を交付してもらうと、その足で県総合交通センターへ。免許証の住所変更を終えるや、駐車場の契約書を添えて最寄りの警察署で車庫証明を申請。数日後に交付された書類を携え、関東運輸局群馬運輸支局でようやく名義変更やナンバー変更を終えました。
膨大な書類に署名を重ねるうちに、期せずして新住所を暗記。市内を行き来して、道路事情や東西南北の地理感覚もなんとなく頭に入りました。装い新たな「前橋ナンバー」のハンドルを握り、「やっと市民の一員になれたかな」と実感しているところです。
前任者から「隠れたベストセラーだよ」と引き継いだ『群馬県民手帳』によれば、県内の免許取得率は72 ・5%(昨年4月30日現在)で全国1位。2018年度の県内の自動車保有台数は180万1022台。車社会の中で安全運転を心がけながら、少しずつ県内各地へ行動範囲を広げていきます。
(朝日新聞社前橋総局長 本田 直人)