加藤登紀子さんの話(Vol.19)

天才パーソナリティ和田菜摘(右)と、加藤登紀子さん(中央)を囲んで。ラジオ高崎「アンドレディオ」聞いてねー

芸人、ミュージシャン、俳優、声優など幅広く活躍する金谷ヒデユキさんが、芸人目線で世間を斬ります。不定期連載。

どうも!群馬のスター金谷ヒデユキです。

ラジオ高崎で「アンドレディオ」という番組をやってます。毎週土曜昼12時から、ミュージシャンの吉田ゐさおさんと週替わりで担当しております。毎回ゲストをお迎えしてお送りしているのですが、先日は「百万本のバラ」「知床旅情」などのヒット曲でお馴染み、加藤登紀子さんがゲストに来てくださいました。今日はその時のお話を。

何度もお伝えしているように、現在所属している浅草漫才協会の方ではベテランの師匠方に囲まれモテモテ状態のワタクシですが、ベテラン歌手の加藤登紀子さんのお相手という事でちょっと緊張しておりました。打ち合わせもそこそこに本番スタート。

「では本日のスペシャルゲストの登場でーす」のフリに、加藤さん開口一番「こんにちは、加藤登紀子です。25歳です」加藤さん、いきなりお茶目!「えっ!加藤さん年下だったんですねー意外!」と返せば「3回目の25歳でーす」との素早い返し。一気に緊張も吹っ飛びました。

さあそこからは怒涛の名言オンパレード。「やっぱり昔のヒット曲を歌いたくない時期もありましたか?」って聞いたら「ありましたよー。自分の昔の曲がライバルだと思ってたから、その曲を超えてやろうって思って」

『ライバルは自分の昔の曲』。なんてカッコイイ言葉!

「でも『同じ曲でも歌うたびに違う』って思えるようになってからは新鮮な気持ちで歌えてます」 落語の名人にも通じる名言。

「元々はシンガーソングライターになるつもりはなかったんだけど、たまたま曲を作らなきゃいけない状況になっちゃった。だから曲なんて誰でも作れるの。永遠のアマチュアリズムでやってます。歌いたいから歌う」。

「ステージは戦場だと思ってやってたんだけど、ふと思ったの『私、誰と戦ってるんだろう』って」深い…。

「だからお客さんと一緒に楽しもうと思って、日本酒飲みながら歌うライブもやってます」

楽しそう!もはやただの酒好き。話してる間中ずーっと笑顔の登紀子さん。「だって笑顔じゃないと、さまにならないって言われたんだもん」実際は波乱万丈の人生で、苦しいことも辛いことも山ほどあったはずなのに、いつも笑顔。何故なら笑顔じゃないと、さまにならないから。

菩薩のような笑顔と名言の数々、私の心にぐさぐさ突き刺さりまくりました。百万本のバラの棘のように。

帰り際、サテライトスタジオのガラスの向こうを見ながら「あー今日も5人くらい恋しちゃった」 何の事だろう?と聞いてみたら「いつも一瞬一瞬の恋をしてるの」素敵…。そんな登紀子さんに私も恋しちゃいました。

金谷ヒデユキ

金谷ヒデユキ

安中市出身。フジTV「タモリのボキャブラ天国」にて「地獄のスナフキン」の愛称で親しまれた音楽芸人。現在は音楽活動、芸人活動の他、声優として「機関車トーマス」アニメ「けいおん」等にも出演。初の主演映画「道しるべ」9月27日よりDVD発売開始。

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