検温、消毒、マスク、換気、申告… コロナ感染予防策を徹底
緊急事態宣言の対象から外れ、16日から外出自粛や休業要請が一部解除された群馬県では、臨時休業していた施設が徐々に営業を再開している。各事業者は、検温所や消毒液、飛沫除けシートの設置のほか、3密回避のためのマスク着用やソーシャルディスタンスの促進、換気など感染予防や拡大防止の施策を徹底し、来場者を迎えている。
行楽期に間に合った再開
行楽シーズン最盛期に休業を余儀なくされた施設も、花の季節や動物の出産時期に再開でき、胸をなでおろしている。
高山村のロックハート城は、4月13日から自主的に休業していたが、今月16日から本格的に再開。人気のドレス体験では定員を減らすほか別の更衣室の設置準備も進める。3月に誕生した新エリア「風と光の丘」にはマリア像が建ち、青い花・イングリッシュブルーベルが見頃を迎えた。同城観光部長代理の斎藤稔さんは「これからは『withコロナ』と『外(屋外)・近(近隣)・単(少人数単位で)』をキーワードに、自粛によるお客様のストレスを少しでも解消できる場を提供していきたい」と意気込む。
4月14日から臨時休園していた渋川の赤城自然園は、入り口の屋内ルームや昆虫館、キッズルームを除き、17日から営業を再開。現在、シャクナゲやヤマツツジなどが華やかに彩っている。消毒液のほか、マスクの着用や体調に関する注意喚起の看板を設置し、予防の協力を呼び掛けている。
富岡の群馬サファリパークは時短営業で18日から再開。直営レストラン等の休業や園内周遊バスの運休は続くが、自家用車での周遊が可能に。現在、休園中に生まれた多くの動物の赤ちゃんが観察できる。車を降りて動物を近くで見られるウォーキングサファリ入口2カ所には消毒液を設置。遊園地も、乗り物の消毒や座席間隔に配慮しつつ営業を始めた。
渋川の伊香保グリーン牧場も対策を徹底し16日から再開。当面は通常より安い、期間限定特別料金で入場できるほか、動物のエサやりと一日1回のシープドッグショーのみを行うという。
館林の東武トレジャーガーデンも感染防止策を講じ再開。ただし、飲食施設の営業は屋外テラスのみ。現在約1500種3000株のバラが見頃を迎える。担当者は「バラのシーズンに間に合ってほっとしている。気を抜かず、しっかりと来場者を迎えたい」と話す。
岩盤浴の定員は半分に
高崎の天然温泉湯都里では、県の要請に基づき4月20日から臨時休館を行っていたが今月15日に一部の飲食部門を除き営業を再開。岩盤浴の定員を半分にしたり、受付時の間隔を2㍍空けるなどの対応に追われた。同市内の今井純一さん(59)は、「待ちに待った久しぶりのお風呂、気持ちが良かった。帰ってからの晩酌も格別」と笑顔がこぼれる。同施設の岐津智之支配人は「まずは地元のお客様に一日も早く温泉に入っていただきたかった。飲食部門の再開も徐々に進めていきたい」と力を込める。。
会場「密」にならない配慮
美術館や図書館など、文化施設も徐々に再開。16日、約1カ月ぶりに開館した高崎市美術館では入館時の検温、マスク着用、手指消毒、来館者の連絡先などの記入、展示室が密集状態にならないよう配慮するなど、感染防止策を徹底。現在、開催中の「秋山コレクション『人間のいる風景』」では、個人コレクターが収集してきたラインハルト・サビエや深井克美の作品を中心に、多彩な作品が並ぶ。同館の担当者は、「とても価値の高い出品作品が数多く展示されているので、閉館のまま観てもらえる機会が消えてしまうのは残念だと考えていました。安心して展覧会を楽しんで頂けるよう、様々な感染防止対策を講じておりますので是非、本物の作品に触れて欲しい」と話す。