桐生は織物産地として知られています。その歴史は古く、奈良時代の歴史書「続日本紀」の記述が最初です。その後、鎌倉時代の新田義貞公軍旗の絹織物、室町時代の足利将軍家からの紬の注文書、「関ヶ原の戦い」前の徳川家康公への旗絹2410疋献上など、時代ごとに桐生織物のエピソードが記録されています。 明治時代以降も、新技術を積極的に導入して繊維産業を盛り上げることで、「西の西陣、東の桐生」と言われる織物産地となりました。
群馬県の繊維産業は帯や着尺を中心とする和装織物、洋服生地等の広幅織物、レースカーテンに代表されるたて編生地、セーターなどのよこ編製品、婚礼衣装を飾る刺繍など、繊維に係わる多種多様な業種が並立し、各工程の職人が活躍している、非常に特長ある産地となっています。
桐生に立地する繊維工業試験場は、繊維関連業界を技術的な面で支援する県の試験研究機関です。現在、国内唯一の繊維専門の公設試験機関となっています。試験場では、製品の品質を評価するための依頼試験、試作を支援するための依頼加工、人材育成のための技術研修や講演会などを実施しています。特に力を入れている業務は、新製品や新技術を開発するための研究開発業務。昨年度は約20テーマの開発研究を地元企業と共同で行いました。その成果の一部は入口ホールで展示しています。
試験場では業務内容を広く知ってもらおうと4月の科学技術週間と10月の県民の日に一般公開を行っています。場内見学ツアーのほか、藍染め体験などを無料で実施します。今年も試験場で行いますので是非、ご参加ください。