声優・アーティスト 小倉 唯 さん

先月、地元みどり市の観光大使に就任した小倉さん。「とても光栄です。みどり市の魅力を様々な世代に伝えていきたい」=みどり市笠懸庁舎

「夢は海外進出。アニメや歌を通して日本の文化を発信していきたい」

声優やアーティスト、女優として多方面で活躍する。BSや群馬テレビなどで放送中のアニメ「ViVid Strike!」では、リンネ役で出演するほか、オープニング曲「Future Strike」も歌う。先月には、地元みどり市の観光大使に就任したばかり。日々、存在感を増している小倉さんに、「ViVid Strike!」の魅力やみどり市観光大使への思い、今後の夢などを聞いた。

【新境地を切り開き、ファンに驚きを】

Qリンネはどんなキャラクターですか

格闘技の大会でトップに君臨し続ける、「強い女の子」という設定。でも、幼い頃は気の弱い孤児だったため、強くならなくてはという強迫観念から別人のように振る舞っています。複雑な思いを秘めながら戦うリンネは自分と重なる部分が多い。今まで可愛らしいキャラが多く、ここまで尖った役を演じたことがなかったので、すごく新鮮です。あと、本当にたまたまですがアニメがスタートする少し前、個人的にキックボクシングを始めました。実際、パンチやキックを習っていたのでイメージしやすかったですね。

Qアニメの見どころは

まず、幼馴染のフーカとの関係性。2人はずっと一緒だったけれど、時を経て心が離れてしまった。葛藤や諍い、悩みを抱えながらも何かをつかんでいく少女たちの成長や絆が見どころです。あと、何と言ってもアクションシーンが魅力。拳と拳をぶつけ合いながら心を通わせていく、そんな彼女たちの「熱さ」を感じて欲しいですね。

Qアニメのオープニング曲(OP)も歌っています

実はOPを歌うのは初めて。作品の世界観を背負う曲なのでプレッシャーはありましたが、その分やりがいがありました。曲調はハイテンポなロック。少女のぶつかり合いがテーマでしたから熱い気持ちで歌いました。新境地を切り開き、ファンの方に驚きや衝撃を与えられたと思います。

【声にコンプレックス】

Qもともと子役でしたね

小さい頃、「テレビに出たい!」と言ったことを親が真に受けたのがきっかけで、劇団に入ることになりました。色んなレッスンを日替わりで受けていましたが、特に歌やダンスが好きでしたね。

Q声優になったきっかけは

実は声にコンプレックスを持っていました。子役のオーディションでも「風邪ひいてる?」と言われたり(苦笑)。ところが、仕事関係の方から「その声を活かして声優に挑戦してみない」と薦められ、高校から本格的に始めました。私の声を聞いて、「元気をもらったよ」と言ってくれる存在がいるのは本当に心強いです。

Q声優の魅力は

普段、出来ない体験ができる所。非現実的なシチュエーションで、自分なら絶対言わないような台詞を言うなど毎回、違ったキャラを演じられるのが楽しい。自分の経験と照らし合わせたり、想像力を膨らませたり。設定された時代や物語を踏まえ、キャラを作り上げていく。自分のイメージ通りの芝居が出来た時や、それを観て下さった人に自分の意図が伝わった時はうれしいですね。

【地域の魅力をどんどん発信】

Qみどり市観光大使のお話を頂いた時の気持ちは

正直「まさか私が」とビックリしましたが、とてもうれしかったです。出身者だからこそ紹介できる地域の魅力をどんどん発信していきますので、楽しみにしていて下さい。

Qみどり市の魅力は

みどり市というだけあり、緑が綺麗で自然豊かなところです。高津戸峡の紅葉、ながめ余興場の菊人形、カタクリ群生地など名所がいっぱい。個人的に思い入れがあるのは渡良瀬渓谷鉄道。初めて写真集を出した時、鉄道に乗ったカットを収めました。趣があって大好き。食べ物なら定番の焼きまんじゅう。アイスクリームを添えた焼きまんじゅうなど、進化する食文化も紹介していきたい。

Q地元はどんな存在ですか

日々、時間に追われる生活なので、地元に帰ってくるとキュッと引き締めていたモノが緩むのが分かりますね。家族や親せきは勿論、応援してくれる方がたくさんいるので本当にホッとします。

【試行錯誤しながら常に戦っている】

Q今夏、写真集「ゆいはたち」も出しました

20歳を迎えることは自分にとって大きな区切りだったので、その思いをタイトルに込めました。今までの軌跡とこれからの未来、両方を収めています。新しい「小倉唯」像を感じてもらえたらうれしいですね。

Q同時期に地元でソロライブも行いました

これまでも声優ユニット 「ゆいかおり」でアーティスト活動をしていましたが、ソロで、しかも地元でのライブは初めて。うれしくもあり恥ずかしくもあり、不思議な感覚でした。温かい雰囲気で、来てくれた人と一緒にライブを作り上げた達成感がありました。ファンの方からたくさんのパワーを頂いたので、私もそれ以上のものを返していかなきゃなと思いました。

Q声優とアーティストの両立はいかがですか

台詞の言い回し、感情の込め方、声の圧や音程、息の抜き具合、言葉の解釈の仕方など、声優の仕事は口と耳をものすごく使います。歌う時、その経験がとても役に立っていますね。逆に歌い方をキャラに活かす場面も多く、両方やることで色んな発見があって面白いですね。

Q仕事上のモットーは

「初心忘るべからず」。毎回、感謝を忘れず新鮮な気持ちで仕事に向き合うようにしています。自分しか出来ないものを引き出すことが大切なので、どうすればもっと良くなるかを考えています。紆余曲折、試行錯誤しながら常に戦っている感じ(苦笑)。演じるキャラや自分の声で、観ている人に勇気や元気を与えられるので、全力で取り組んでいきたいです。

Q今後、挑戦したいこと

最近、リンネなど挑戦的なキャラを演じる機会が増えています。今までの枠にとらわれず色んな役にチャレンジしたいですね。そして、声優としてアーティストとしての夢は海外進出。日本のアニメは世界中で注目されています。入口は入りやすいけれど、社会や人の在り方を深く描いた作品が多く影響力も大きい。アニメや歌を通して、世界中に日本の文化を発信していきたいですね。

文・写真/中島美江子

【プロフィル】Ogura Yui
95年みどり市生まれ。09年に声優デビュー。10年にはユニット「ゆいかおり」を結成、声優業と並行して音楽活動も展開する。12年にソロデビューを果たし、以降、話題のアニメのテーマソングを発表。今夏、初のワンマンツアーを開催。10月にはみどり市観光大使に就任。11月はアニメ「ViVid Strike!」のオープニングテーマ曲「Future Strike」を発表。

掲載内容のコピーはできません。