少し天気が心配でしたが、「2020年県高校野球大会」が開幕しました。夏の甲子園が中止となったため、県高野連が独自大会を主催しました。朝日新聞社も後援として、できる限り紙面や朝日新聞デジタルなどを通じて、球児たちの姿をお伝えしていきます。ご覧いただければ、うれしいです。
18、19の両日、桐生球場と上毛新聞敷島球場に行ってきました。球場入り口では検温などの手続き。マスク姿の大会関係者たち。大会本部や記者室など、あちこちに「密」を避ける配慮がされています。いろんな制約がある中での大会運営は、本当に大変だと思います。
グラウンドの様子も、いつもの夏とは違います。無観客試合のため、スタンドに入れるのは主催者に許可された人たちだけ。部員や、選手の保護者のみなさんが、間隔を空けて座っていらっしゃいました。応援は拍手が基本。熱戦に華を添えるブラスバンドも見られません。
今夏、甲子園に続く道はなくなってしまいました。でも、球児たちが白球を追うひたむきな姿は、変わりません。静かな分だけよく聞こえる、投げ込むときの投手の声。劣勢で迎えた九回の攻撃中、試合をあきらめている球児は見当たりません。試合後に流れる涙は、これまでずっとがんばってきたことの証しです。やっぱり、いいです。高校野球って。
(朝日新聞社前橋総局長 熊谷 潤)