ピンク色のカーネーションを飾ってみました。会社の同僚からわけてもらったものです。鉢植えのお世話は、きっとできないので、数輪を細いガラス製の花瓶に挿しています。恥ずかしながら、私は花の名前をあまり知りません。じっくり楽しむという習慣もありません。それでも毎日眺めていると、なかなか味わいがあるなあ、と思うようになるものです。
ほとんどがまだつぼみなのですが、その中からジリジリと、鮮やかなピンク色が飛び出そうとしています。昨日よりも今日と、毎日確実に。まめに水を換えたほうがいいのかな。日光にあてたほうがいのかな。インターネットで検索をしながら、おろおろ。とりあえずは元気そうなので、ほっとしています。きっと、残りのつぼみもきれいな花を咲かせてくれると思います。
カーネーションといえば、今年もまもなく母の日です。ちょっと前までは、サクラが満開だの、散っただのと言っていたのに。いつの間にか、ちゃんと季節は巡っています。「明けない夜はない」「やまない雨はない」。どこかで知ったそんな言葉たちを、ふと思い出しました。
4日、緊急事態宣言の延長が決定しました。今月末までだそうです。せめて、「出口」を見せてほしかったのですが……。まだまだ、不自由な生活が続いてしまいます。ここはぐっとがまん、なのでしょうか。
(朝日新聞社前橋総局長 熊谷 潤)