今度は娘の夢を応援したい!
NHK大河ドラマ「花燃ゆ」や現在放映中の朝ドラ「とと姉ちゃん」に出演、清楚なイメージで確かな演技力を見せる。女優業の傍ら、「ぐんま観光特使」や「館林市観光大使」として群馬の魅力を発信中だ。周囲に感謝しながら、仕事に育児に奮闘するあらいすみれさん(43=館林出身)に、女優として、母としての思いを聞いた。
女優として、母親として
Q女優の仕事が順調ですね
「昨年のNHK大河ドラマ「花燃ゆ」では、養蚕農家の女性ナツの役をいただきました。「上州女なら、誰にも負けられない」と、5㎏減量して臨みました。また、NHK朝ドラ「とと姉ちゃん」では主人公の常子が、取材で飛び込んだ家の主婦役で2回ほど出演しました。朝ドラのオーディションを今まで何度受けても叶いませんでしたが、「とと姉ちゃん」では存在感のある役を頂けました。運を使いきったと思えるほどで、本当にうれしかったです。」
Q1児の母としても活躍中ですね
2歳9か月の娘がいます。10年に結婚して、13年に出産しました。女優業が忙しい時期でしたが、結婚や出産に迷いはなかったです。プライベートと仕事の両立を事務所の社長が理解してくれるなど、環境には恵まれていました。女優として、母親として、自分らしくいられるのは、まわりの理解のおかげです。
Q家族は子育てに協力的ですか
主人は当初、家事育児の協力に戸惑っていましたが、今では娘の習い事の付き添いや食事の世話などをしてくれます。九州の有田焼窯元の仕事に携わっているため、月の半分は留守にしています。その間は不安ですが、主人も両親も頻繁に気遣ってくれます。
Q実家の両親もサポートを
早朝から夜遅くにおよぶ撮影本番の時は、孫のために68歳の母が館林から泊まり込みで東京の自宅に来てくれます。出産の時も駆けつけてくれて心強かったですね。内心不安でしたが、母がいてくれたので落ち着いて出産できました。失礼ながらアタフタしていた主人とは対照的(笑)。母は「で~ん」と構え、常に穏やかにほほ笑みながら「大丈夫よ」と体をさすってくれました。
Q育児は大変ですか
大変なことだらけです(苦笑)。つらいとは思いませんが、とにかく自分の思った通りに行かない。お出かけ前に突然、娘のかわいい洋服がジュースに染まっていたり、知らぬ間に冷蔵庫が開けっ放しになっていたり。困惑の毎日です。それに、自分の育児で、1人の人間が形成されると思うと日々責任を感じています。
Q子どもがいることで心境の変化は
独身時代からお母さん役を演じていましたが、「こんな感じかな」と手探りで想像の域を出ませんでした。でも、出産してからは役づくりに迷いがなくなり、仕事に確信が持てるようになりました。自分が子どもの頃に注がれた両親からの愛情にも気付かされました。双方の両親への尊敬の念が強くなりましたね。
群馬をとことんPRしたい
Q故郷によく帰省されるのですか
2カ月に1度くらいでしょうか。今年6月に館林市観光大使第1号に就任したので、これからもちょくちょく帰省したいです。その際、家族で出掛けますが、お気に入りのスポットは群馬サファリパーク。トラやライオンの迫力に娘は大はしゃぎです。
Qぐんま観光特使や館林市観光大使としても活躍されてますね
前々から故郷のために何かできればと思っていましたので本当に光栄です。「待っていました」という感じ。群馬の魅力である自然や温泉、食べ物などをPRするナビゲーターとして、群馬発のドラマに出演するなどとことん発信していきたいですね。
親指姫から始まった夢
Q女優に至るまでの道のりを教えて下さい
幼稚園のお遊戯会で「親指姫」を演じたことがきっかけで「女優さんになりたい」と気持ちが膨らみました。高校時代は写真部とダンス部に所属。その頃、ミス日本に最年少で選ばれ上京しました。モデルを経て、女優として数々のドラマに出演しました。ただ、順風満帆ではなく、お仕事を頂く難しさを実感しています。
Q今後の夢は
自分の夢である女優になることは叶いました。今度は、娘が大きくなって何になりたいのかを一緒に探し、応援してあげることが夢です。きっと、両親が一貫して「なりたいもの、なりたいことをしなさい」と言い続け、ずっと私のファンでいてくれたことが影響しているのでしょう。私も両親がしてくれたように、娘の一番の応援者でありたいですね。
Q子育て中の人にメッセージを
子育ては本当に大変で時には泣きたくなりますが、頑張り過ぎないで。と、言っている私の方が、皆さんからアドバイスいただきたい心境。子どもと一緒にいられるのは短い間。一緒に育児を楽しんでいきたいですね。
聞き手/写真・谷 桂