芸人、ミュージシャン、俳優、声優など幅広く活躍する金谷ヒデユキさんが、芸人目線で世間を斬ります。不定期連載。
どうも!金谷ヒデユキです!わたくし今現在、声優、音楽、芸人、俳優、ラジオパーソナリティ、原稿執筆など様々な分野で活動しておりますが、唯一やっていない仕事があります。それが今回のテーマ「子育て」。
公私ともにピン芸人。舞台も家庭もソロ活動。天下御免のバツなし男。子育てどころか、子作りの経験さえない私が子育てをテーマに原稿執筆。かなりハードルの高いチャレンジですが今回もお付き合いください。
私生活では独身。改めて見ると独身の「独」っていう字、当たりがキツイ。ケモノへんに虫ですよ。人間扱いされてませんよ。ケモノ扱い、虫ケラ扱いですよ。世間からはそんな扱いをされている私ですが、先日舞台で父親役を演じる機会がありました。今回はその時のお話です。
舞台上とは言え、ひとときの家族感、バーチャルファミリー体験。29才の長女を筆頭に一男二女の父親役。子育てすっとばして孫までいるおじいちゃん役。その気持ちを知るため周りにいる父親達に色々話を聞き、役作りに生かそうと思ったのですが、いまひとつピンと来ない。身近に感じられない。何か違うな? と思っていた時にふと「あっ!父親役にピッタリな人物がいるぞ!」と、ひらめいちゃったのです
一番身近にいる父親役。長年見続けてきた父親役。それは実の父。バーチャルではなくリアルな父親。28歳で私を生み、当年82歳。本名金谷弘美。芸名なし。この人こそ役作りにピッタリだ。そう思い、ふだんあまり話す機会のない父と酒を酌み交わしつつ根掘り葉掘りのインタビュー。すると出てくる出てくる「あの時の気持ち」。
「あの時お前の事殴っちゃったけど、あれずーっと後悔してるんだ」「俺は父親いなかったから、どう接すればいいのか迷っててさあ」「ホントは単身赴任せずに会社辞めようと思ってた」そのうち母親との初デートの話や戦後の進駐軍にチョコレートねだる話まで。
親とは言えどもみんな初体験。初めての子育て。戸惑いながら、迷いながら、失敗しながら、後悔しながら、進んで来たんだな。改めてそう実感しました。
知らなかった親の気持ち。自分側からしか見えなかった今までの人生を、反対側からも味わえる「親へのインタビュー」。読者のみなさんにもおススメします。ちなみに父親いわく「お前は子供の頃から全然手がかからない子だった。子供の頃から独立してた」そうです。また出た「独」!独立の「独」!
やはり私、筋金入りの独身みたいです。