前橋で5月10日まで
宮沢賢治の絵本シリーズ最新刊「おきなぐさ」(ミキハウス)の原画展が、前橋のフリッツ・アートセンターのギャラリーで開かれている。
賢治の童話「おきなぐさ」を題材にした同絵本の絵を手掛けたのは、「おむかえワニさん」(文溪堂)や「おしりどろぼう」(くもん出版)などで知られる人気絵本作家・陣崎草子さん。花に生えている毛の一本一本まで緻密に描かれた繊細な原画が楽しめる。
「賢治の作品すべてを絵本に」というコンセプトで刊行が始まったシリーズ絵本。「おきなぐさ」は、うつむくように野に咲く可憐な花「おきなぐさ」の物語だ。花を上から見ると黒紫、蝶から見ればおひさまの光を透かして燃え上がるように赤くなり、様々に変化するこの花を賢治はこよなく愛していたという。
同センターの小見純一代表は「今ほど賢治のメッセージが必要なときはありません。陣崎さんの優しい絵と、綺麗ですきとおった風を感じに、敷島の森へご家族でおいでください」と呼びかける。5月10日まで。火曜休館。同ギャラリー(027・235・8989)。