小学5年の娘は大の猫好きだ。幼い頃から毎日のように「飼いたい」コール。飼育経験のない私も根負けして2年前つい、「珠算で段を取ったらね」と言ってしまった。
すると娘のやる気スイッチが一気に入り、ソロバンを一心に弾く日々。努力の甲斐あってついに今月末、段位認定試験を受験することに。「受かったら猫だよ!」と念を押す娘に、夫はまさかの反対。後日、家族で会議を開いた。
夫と受験生の長男は、猫と遊ぶ時間がない、部屋が汚れる、お金がかかるなど反対理由を並べる。対する娘は、散歩が不要で楽、帰宅後の留守番が孤独、飼えなかったら苦労が水の泡など涙ながらに訴えた。
猫なんて簡単に飼えるだろうと軽々しく約束したことを母として反省。反対派の意見は最もだが、猫のために励んできた娘の努力を認めてあげたいことを述べると、夫が一言「そうだな、頑張ってきたもんな」賛成に傾き出した。この「家族猫会議」の結果、部屋の整頓を心がけ、猫を迎えるまでに必要なことを色々と勉強することで一件落着、飼う方向に。
早速、話題の本「猫の學校」(ポプラ社)を買った。上から目線で「飼う」のではなく、猫と一緒に「暮らす」という考え方が大事という。珠算検定は今月末。猫との暮らしに必要な責任と覚悟について考えながら、娘の決戦の日を待っている。
(上原 道子)