小池さんと蓮舫さんの話 [Vol.28]

芸人、ミュージシャン、俳優、声優など幅広く活躍する金谷ヒデユキさんが、芸人目線で世間を斬ります。不定期連載。

地元群馬の皆さま、おはようございます!東京在住の金谷ヒデユキです。群馬県民の皆さんはおそらくご存知ないとは思いますが、先ごろ「東京都知事選挙」なるものが行われました。「何それ?」「そんなのあった?」と首をかしげる方も多いでしょう。それもそのはず東京都民の間でも、その存在を知らなかった人も多いようで、投票率は55%。約半数の都民は都知事選挙の存在を知らなかったようです。ニュースでもほとんど報じられないシークレット選挙。

22人の候補者の中から選ばれたのは現職の小池百合子さん。他の候補者を大きく引き離しての圧倒的勝利でした。勝因を探ってみるとまずは「ステイホーム」。コロナ対策として「お家にいましょう」という強制自粛の影響で「外出して選挙に行くのは危険だ」とブレーキをかけた方も多かったのではないでしょうか。小池さん自身も街頭演説を控え、SNSを駆使した選挙活動。ネットを上手く使いこなし都内各地に柔らかいトーンで話しかけました。テレビでの候補者討論会も行われず「お口にチャック」ならぬ「お口にマスク」で学歴詐称疑惑も乗り切りました。

この本によると小学五年生の時弁論大会で優勝した小池さん。題は「ウソも方便」だったそうです

「カイロ大学を首席で卒業」という彼女の肩書。その真偽を追求し、出版から1カ月で30万部を超えたベストセラー「女帝小池百合子」。私も拝読いたしましたが、その中で印象的だったのが小池さんのイメージ戦略の上手さです。

元々はニュースキャスター出身の彼女。番組で共演していた政治評論家・竹村健一氏の「視聴者は話の内容より、着ている服やネクタイの色の方に興味がある」という言葉に従い「人にどう見られているか?」という嗅覚が鋭い。そして政治家としてはターゲットとなる敵を設定し、それに対し戦う女というイメージを作り上げる。「自民党」「都議会のドン」「豊洲の盛り土」。それによって主に女性の人気を集める。年上の男性に対して自分の意見をハッキリ言う女性タレントが同性人気を集めるのと似ています。

ここまで見てくると、思い浮かんで来ませんか?もう一人の女性議員の顔が。そう、立憲民主党の蓮舫議員です。彼女も同じくニュースキャスター出身。イメージ作りが上手い。

緑をイメージカラーとする小池さんに対し、蓮舫さんは白。自民党という敵に対して舌ぽう鋭く噛みつきます。小池さんの「学歴詐称」に対抗して「二重国籍」という四字熟語疑惑。その疑惑をなーんとなくすり抜ける技術。小池さんと蓮舫さん、何もかもが重なります。

今回は立憲民主党の推薦する宇都宮けんじさんの応援に回った蓮舫さん。いずれ小池さんと一騎打ちという場面もあるかも知れません。そして今回の選挙戦後にはこう言って欲しかった。「都知事になるには2位じゃダメなんでしょうか?」ダメだと思います。

金谷ヒデユキ

金谷ヒデユキ/安中市出身。フジテレビ「タモリのボキャブラ天国」にて「地獄のスナフキン」の愛称で親しまれた音楽芸人。現在は音楽活動、芸人活動その他、声優として「機関車トーマス」、アニメ「けいおん」等にも出演。ツイッターのフォロワー募集中 https://twitter.com/kanaya_hideyuki

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