巣立ちの時 [コロナ禍を乗り越え、学校を巣立った若者たち…]

コロナ禍を乗り越え、学校を巣立った若者たち。新年度を迎えそれぞれの一歩を踏み出したところだろう。
 
昨年は県内の多くの入学式が中止やリモートとなったが、今年はコロナ対応で密を避けての挙行とはいえ、おおむね対面で開催できているようだ。
 
自分の入学式と言えば、30年前。同じ学科には見知らぬ人ばかりで開式前から緊張。しかし勇気を出して隣の席の子に話しかけてみたら、すぐに打ち解け合えた。彼女とは今でも連絡を取り合う仲となった。入学式は単なる儀式ではなく、一生の宝を得られた特別な日として記憶に刻まれた。
 
先日、我が家の長男も、大学入学を機に群馬から巣立っていった。入学式は学生と先生限定。親は式典後SNSに載った写真を見るにとどまった。一つおきの着席では、隣に話し掛けることさえできないだろう。そもそもおしゃべりは感染予防の観点からは禁止だ。
 
入寮から1週間。不安で戸惑っているのではと思いきや、「仲間もでき、先輩や先生も親切だ」と、新生活を満喫しているLINEが。ほかにも、「別の入寮生が早速、何かをやらかして寮のリーダーに怒られた」など、余裕すら感じさせるメッセージも。頼もしくもあり、また寂しくもあり。

(上原道子)

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