甲子園で開催された高校野球の交流戦。群馬からは、桐生第一と健大高崎が出場しました。現場に行けなかったので、テレビでの観戦となりました。残念ながら両校とも負けてしまいましたが、精いっぱいがんばっていました。高校球児が目標とする舞台での試合。良い思い出になってくれたらいいなと思います。
前回コラムで少し触れましたが、先週12日、御巣鷹に行ってきました。リュックの中身は、アメや水分など半分ぐらいが熱中症対策の荷物（笑）。取材班の同僚たちに支えてもらいながら、無事に登ってきました。
１９８５年８月12日。日本航空のジャンボ機が墜落し、乗客・乗員５２０人が亡くなりました。あれから35年。時折、尾根を流れるやさしい風が、暑さを和らげてくれました。事故当時を取材した先輩記者から聞いていた光景とはまったく違う、穏やかさがありました。
でも、墜落直前に機体が山肌を削ってできた「Ｕ字溝」も、群馬県警が捜索活動の目印としてバツ印を描いた通称「×岩」も、あの日の爪痕は確かにありました。多くの墓標があるスゲノ沢周辺を歩くと、こみ上げてくるものが止められませんでした。
私たちが下山して車に乗ると、今までこらえてくれていたかのように、激しい雨がどっと降り始め、辺りが白いもやに包まれました。私の初めての御巣鷹でした。
(朝日新聞社前橋総局長 熊谷 潤)