去る16日、「朝日フォトフェス」が開催された。弊社主催の写真コンテストの年間を通じての入賞入選作品を一挙に展示。講演会や表彰式も行った。
例年のことだが中高生の受賞者は、多くがカメラ持参で来場する。ハレの日の一瞬一瞬を「撮る気満々」なのである。一人が登壇すると、仲間が舞台下に走り寄り一斉にカメラを構える。受賞した生徒が誇らしげにほほ笑むとパシャパシャとシャッター音が鳴り響く。その喜びに満ちた実に可愛らしい光景にまた会場が沸く。受賞者の中には来月卒業を迎える生徒も少なくない。この日の写真はかけがえのない宝になるだろう。
私がまだ朝日ぐんまの一読者だった8年前、朝日フォトコンに応募し入選したことがある。サッカーの試合の1シーン。当時小学6年生だった息子やチームメイトが頑張っている姿を記録し卒業アルバムを作る目的で撮った写真だった。先日の表彰式で仲間の晴れ姿を残そうとひたむきに撮影する中高生が、当時の自分と重なり感慨深かった。
このコラムを最後に私はまた一読者に戻る。紙面制作を通して素晴らしい瞬間に立ち会い、これまで関わりのあった全ての人から多くを学ばせてもらった。「卒業」に似た人生の節目に、残したい言葉は「感謝」しかない。(野崎律子)
(野崎律子)