抗ウイルス効果も 銅繊維シート開発

群大が特許申請中

群馬大学発ベンチャー企業の「グッドアイ」(桐生)と、電気部品製造の明清産業(前橋)は、群大が特許出願中の技術をもとに、抗ウイルス効果のある「銅繊維シート」を開発した。新型コロナウイルス感染防止の素材として大いに期待される。

 

感染拡大防止に一役!

 

新開発の銅繊維シートで作ったオーバーマスクを自ら装着しPRする群大の板橋教授

新しく開発されたシートは、銅箔でコーティングしたポリマー繊維に、高い抗菌効果のある可視光応答型光触媒(蛍光灯など室内光でも細菌やウイルスを不活化させたりすることができる触媒)を塗布したもの。幅144センチで着物の反物のように巻いた状態で出荷できる。群馬大学大学院理工学府(桐生)の板橋英之教授(57)が、銅線を製造している明清産業とともに開発した。

先月、アメリカの大学チームが、新型コロナウイルスを使った研究について「銅はプラスチックやステンレスの表面よりも高い殺菌効果がある」とする報告を行った。これを受け板橋教授は、すでに完成していた銅繊維シートが新型コロナの防御に活用できると考え、先月31日に特許出願した。

2018年から1年かけて行った教授らの実験では、30分間にどれだけの大腸菌が死滅するかを調べ、銅単独による繊維に比べて新シートの方が約1000倍の殺菌効果が確認された。今月中には新型コロナよりさらに強いウイルスを使って実験を行う予定という。

新型コロナウイルスは、付着した手でマスクや顔を触ると体内に侵入してしまうことがあると言われていることから、通常のマスクの上に重ねて着けるオーバーマスクや手袋としての製品化を提案。また、ドアノブや電気のスイッチ、エレベーターのボタンなど不特定多数が触るところをピンポイントで手軽に抗菌できるマスキングテープ=写真右=など、様々な活用法が考えられるという。

板橋教授は「マスクはできるだけ早く商品化し、多くの人に感染の防御として使ってもらいたい」と期待を寄せている。
グッドアイでは現在、同シートを使って製品化する企業を募っている。同社(0277・46・9277)。

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