先日、良く晴れた日の午後、新前橋駅の近くの街道沿いで、神社境内の木々が濃いピンクで華やかに彩られているのを見た。おそらく河津桜だろう。時々使う道だったが、こんなに華やかな桜の時期に通ったことがなかったので、ひと足、いや、ふた足くらい早い春を感じて得をした気分になった。
調べてみるとそこは、「江田鏡神社」という。伝統芸能の獅子舞が前橋市の重要無形民俗文化財に指定されている由緒のある古い神社だった。満開に近い桜を通りがかりにちらっと見ただけだったので、今度暖かい日に改めてゆっくり訪れてみたいと思った。
河津桜は早咲きで有名だが、立春を過ぎたとはいえまだ2月。やはり今年は暖冬だ。ほかにも県内では梅の便りも聞こえてきた。3月初旬の開花祭り前に、見頃を迎える梅林もありそうだ。ソメイヨシノの開花予想をみると、前橋あたりでも3月中旬に開花という異例の早さ。
これから春本番だというのに、世間では新型コロナウイルス拡大のニュースが次から次へと入ってくる。子どもが発熱すれば、「まさか…」と最悪の事態を考えてしまう。早く収束し、なんの心配もなく、令和の「美しい」季節を心から楽しみたいものである。(上原道子)