桐生市では、桐生の繊維関連製品を地域ブランドとして市を挙げて応援するため、国の支援が優先的に活用できる「ふるさと名物応援宣言」を今年1月に行いました。このことにより、市内事業者の新商品開発や販路開拓など、地域ブランド化の取り組みを支援することで地域のさらなる活性化を目指しています。
本市における染色、織り、編み、刺繍等に携わる繊維関連の事業所数は、市内製造業の約5割を占め、世界でもまれにみる繊維産業の一大集積地となっております。こうした各技術を複合的に組み合わせた高付加価値製品、すなわち「桐生織」の伝統的な技術を継承している着尺、帯等の和装関連製品、洋装服地や服飾工芸等の製品が数多く生み出されています。また、繊維産地の発展に伴い、古くから利用されている天然繊維であるシルクについても加工技術や活用方法の研究が進められ、化粧品などの新たな分野で製品化が進められています。
さらに、こうした地域の特性を生かした事例として、専門が異なる市内繊維企業がそれぞれの得意な技術にてホームファッションをテーマに独創的な製品開発を目指す「桐生クッション」プロジェクトや日本女子大学大学院被服学専攻との「繊維産地インターンシップ事業」が行われています。
同事業については、2009年度から実施しており、繊維関連の研究をしている日本女子大学の学生が市内繊維企業にて就業体験を行うもので、高機能繊維の先進的研究で著名な多屋淑子教授の全面協力の下で実施され、連携の成果として、高機能エプロンや刺繍ネックレスなどが生み出されており、同大学の売店や通信販売でも取り扱っています。
桐生市には、今でも古いまち並みやノコギリ屋根工場などの建造物が多く残されておりますのでぜひ足を運んでいただき、繊維の歴史や伝統に触れてみてはいかがでしょうか。