梨盗難[秋は果物がおいしい季節…]谷 桂

上州日和タイトル

秋は果物がおいしい季節。高崎市の「はるなくだもの街道」の直売所には、水はけの良い土地柄を活かし、明治時代から続くブランド梨「里見梨」が並ぶ。旬を味わいたいと、休日に出かけた。

先月、里見地区の梨が大量に盗まれる事件が相次いだ。JAによると、収穫目前の数日間に渡って1500個以上がやられたらしい。これでは農家はたまらない。

買い物の際、店主に声を掛けると「がっかりです。あとは警察の対応に任せるしかなくて」と作業の手を止めずに話してくれた。

隣接する果樹園を見ると、風格ある苔むした古木がまるで手を広げるように伸び、枝にはずっしりとした実がゆさゆさ。店には採れたてがゴロゴロ。黄色くて、さわやかな甘みの「二十世紀」、肉質が柔らかくジャンボな赤梨「新高」、シャキシャキした食感でジューシーな「新興」、新顔の青い梨「甘太」など大きさも色も種類が豊富で、まさに群馬のお宝だ。親に贈ると、「瑞々しくておいしい。大切に食べるね」と喜んでくれた。

まだまだ続く実りの秋。ぜひとも各地の防犯対策を念入りにお願いしたい。

(谷 桂)

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