男子ソフトU18W杯出場

ソフト世界王者へ返り咲き狙う

田中ヘッドコーチ・稲垣投手・山口捕手=新島学園高校

左から山口捕手、田中ヘッドコーチ、稲垣投手

WBSC第13回男子ソフトボールU18ワールドカップが今月22日から3月1日まで、ニュージーランドで開かれる。本県からは、稲垣拓朗投手、山口葵育捕手(共に新島学園高2年)が出場。同校ソフトボール部の田中徹浩監督がヘッドコーチとして日本代表チームの指揮を取る。

ソフトボールのワールドカップが最初に開かれたのは1981年。以来、日本チームは12大会全てに出場し優勝2回、準優勝3回の実績を誇る強豪だ。ルール改定により今まで以上にハイレベルの戦いが予想される今大会に臨むにあたり、昨年末に選考会が実施され、16人が選出された。

その中で先発投手の柱として期待される稲垣投手は、球速120㎞/hを超えるキレのあるライズボールが武器。海外での経験も豊富で、2017年のアジアジュニア選手権でMVP、昨年のアジア大会で最優秀投手に選ばれた実力者だ。その稲垣投手の長所を引き出し、試合の流れを作るのが山口捕手。全体を見渡せる冷静さ、適格な判断力、内に秘めた気持ちの強さで田中ヘッドコーチが絶対的な信頼を寄せる。統率力にも優れており、新島学園高校のチームでキャプテンを務めている。

「体格的にも似たところが多いアジアのチームと比べ、世界はパワーが違う」と田中ヘッドコーチ。そんな海外チームに対する日本の強みは、世界に誇るミスのないディフェンス。守備からリズムを作ってチャンスを確実にものにする、先行逃げ切りが理想という。田中ヘッドコーチは「プッシュバントや走りながら打つスラップなどの技を巧みに使って試合を掻き回し、相手のエラーを誘いながら得点を重ねたい」と意気込む。

今大会から変わった試合規定により、予選から取りこぼしは許されない。すべての試合が本気と本気がぶつかり合う、迫力に満ちた見ごたえのあるものになる。

その中で日本が目指すはもちろん金メダル。「得意のライズボールで1試合10三振はとりたい」と意欲を見せる稲垣投手と「世界で戦えるのが楽しみ。積極的なプレーで勝ちに行く」と頼もしい山口捕手。三者の気合は十分だ。

日本では最も寒いこの季節。だが、海の向こうで熱い戦いが、これから始まろうとしている。  (飯塚ゆり子)

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