あけましておめでとうございます。コロナ禍で例年以上に静かな年越しとなった方が多いことでしょう。北部山沿いでは大雪も続きます。どうぞお体に気をつけて。支え合いながら穏やかな1年にしましょう。
年末の関越道の大規模な立ち往生では、巻き込まれた県内ナンバーも多かったようです。四半世紀近く前、大雪の高速道路で一昼夜を過ごした悪夢がフラッシュバックしました。
岐阜県の高山支局から正月の深夜、東京都内の実家へと向かう愛車は寒冷地仕様。スコップも搭載し、飛驒弁で言う「雪またじ(雪かき)」対策は万全のはずでした。ところが雪が強まる中央道の行く手に突如、ハザードランプが大点滅。後続も大渋滞となり、一様に雪だるまに。
スマホも携帯電話もなかった当時、情報を得る手立てがありません。ラジオの深夜放送は正月特番ばかり。マフラーを塞ぐほど積もる雪を一酸化炭素中毒にならないように震えながらかき分け、居眠り中の周囲のドライバーをたたき起こして注意を促しました。時折、5㍍から10㍍ほど進むので爆睡できず、暖房を利かせているのでガソリンの減り具合も気がかり。のどが渇くし腹も減る。トイレも我慢……。
教訓は、ガソリンを満タンにして水分や食料を多めに積んでおくこと。悪天候が予想される日はそもそも遠出しないこと。とはいえセオリー通りには何事も進まないということ。寒さ厳しくなる折、雪道の運転にもご用心ください。
(朝日新聞社前橋総局長 本田 直人)