めっきり寒くなりました。朝、ふとんから出るのがつらいです。インフルエンザで学級閉鎖になった学校もあります。お体に気をつけてください。
前回は、川場村でいただいたブランド米「雪ほたか」のことを書かせていただきました。今回も「うますぎる!」話にお付き合いください。
川場村と同じく北毛地域にあるみなかみ町で食べたリンゴ「ぐんま名月」のことです。「赤ければ赤いほどおいしいでしょう」。それが50年生きてきた私にとっての常識でした。そんな私にケンカを売っているのですか、と思うほど黄色いのです。
生産農家の方が絵図を交えながら、リンゴのおいしさなどについてとてもわかりやすく説明してくださいました。でも、「黄色じゃん。絶対うまくないじゃん」。半世紀かけて培った私の常識は、それを受け入れようとはしませんでした。
そして試食タイム。まず真っ赤なのをシャクリ。うまいですよ。酸味を強くしたという赤いのもシャクリ。これはこれでありです。そして最後に、あの黄色。すでに口の中はすっぱさに対する備えができていました。
が……。かんだ瞬間、これでもかとあふれる果汁。甘い。ひっじょーーーに甘い。舌触りもいい。食べたことのないリンゴです。いつの間にか、バクバク食べていました。育てた農家の方に脱帽です。黄色いリンゴはうまいのです!参りました。
(朝日新聞社前橋総局長 熊谷 潤)