群馬セキスイハイム新社長 山下 昌宏 さん

「自由闊達でチャレンジ精神旺盛。そんなセキスイスピリットを大切に、組織一丸となって頑張りたい」と話す山下新社長=前橋市の群馬セキスイハイム

「創業45周年。リーダーに求められるのは、方針を明確にし果敢にチャレンジし続ける姿勢。『現場ファースト』で組織を牽引していきたい」

創業から45周年、これまで建てた住宅は1万5千棟に上る。群馬のハウスメーカーとして大きな存在感を放っている群馬セキスイハイム(本社・前橋市)のトップに先月1日、就任した。積水化学工業株式会社入社後、数々の関連会社の長として組織を牽引してきた山下新社長に、理想のリーダー像や群馬のハウスメーカーとしての使命、地域との連携活動などを聞いた。

【信念信条は絶対ぶれない】

Q就任から1カ月以上経ちますが改めて今のお気持ちをお聞かせ下さい

東京から住まいを移しましたが、上毛三山に囲まれた群馬は自然豊かで土地柄、人も大らかで、とても暮らしやすいと感じています。以前から前社長の石割大樹顧問と一緒に仕事をしていたので、群馬を全く知らない状態ではありません。気持ちを新たに、上州の地で社員と共に事業を成長させ、地域で益々存在感のある会社にしていきたいと今一度、決意を新たにしています。

Q目指すリーダー像は?

基本スタンスは「現場ファースト」。机に座っているだけでは意思決定は出来ないし、時代の空気感も掴めません。我々は販売会社であり施工会社ですから、積極的に外に出て現場の声を聞かなければいけない。各部門の長にもそう指示しています。経営基盤は人財力で、これを相乗するのが組織連動力。そしてリーダーに求められるのは、方針を明確にし果敢にチャレンジし続ける姿勢です。「現場ファースト」で組織を牽引していきたい。

Q仕事上のモットーは?

信念信条は絶対ぶれず、それ以外は朝令暮改もいとわず勇気を持って変革を断行していく。「行いは己のもの、批判は他人のもの」 勝海舟の言葉を借りますが、自分の行動が正しいと思うなら周りの批判を恐れずに突き進む。戦略がマーケットにマッチングしていない時は、スピードを持って変革、転換を実行していくことです。

【自由闊達でチャレンジ精神旺盛】

Q就任後、社内の雰囲気をどう感じましたか?

自由闊達でチャレンジ精神旺盛。あまりタブーがない社風で、社員も真面目に前向きに誠実に仕事に取り組んでいます。ポテンシャルはとても高いと感じました。各部門の連動を強化することで、個々の力はまだまだ伸びるでしょう。社員と共に、今以上にお客様や地域に信頼される会社にしていきたい。

Q御社の理念と使命は?

「お客様との一期一会を大切にし、誠実に向き合い、卓越したサービスを提供する信頼のパートナーであることを約束します」。これが当社の企業理念です。その上で、60年以上安心で快適かつ環境に優しい住環境を提供し続けることを目指しています。将来的に日本も欧米のように長く住める家へと変わっていくでしょう。一軒一軒がずっと住み継がれ、街の財産となるような家づくりをお手伝いしたい。地域の住まいと暮らしの環境レベルを向上させていく、そんな街づくりの一端を担うのが当社の最大の使命です。

【顧客を知る努力を怠らない】

Qメーン事業や力を入れている事業を教えて下さい

自社分譲地開発や建売を含めた新築戸建事業とリフォーム事業が主軸です。16年度下期の着工数は群馬大手ハウスメーカーの中で戸建シェア1位。新築受注ベースは前年比122%と、お陰様で業績を大きく伸ばせています。今後、伸ばしていきたいのはセキスイハイムにお住まいのお客様に加え、それ以外の一般住宅にお住まいの方を対象としたリフォーム事業です。ブランド力と認知度をアップさせ、「リフォームといえばセキスイハイム」と言われるようにしたい。

Qユーザーに納得してもらう住宅や高付加価値を生み出すために大切なことは何でしょうか?

既成の枠に捉われず群馬ならではの商品を積極的に展開していくこと、提案力を高めるために社員の知見やセンスをブラッシュアップすること、そして顧客を深く知る努力を怠らないこと。さらには、お客様に先進の暮らしが提案できるように、最先端の情報を収集して、商品やサービスの提供に結び付けられるよう、発想力とデザイン力を磨き続けることが大切。これからのキーワードはAI。人の暮らしを豊かにする新しい価値の創造ができないか、常に全方位にアンテナを張るように努めています。

Q「街づくり」を踏まえた事業展開を積極的に行っていますね 

2016年から前橋市と大泉町に合わせて251区画の大型分譲地を開発しました。私たちがつくる街づくりのコンセプトは、高層マンションの利便性を備えつつ低層平面化するというものです。住人の方に様々なサービスを提供するために、タウンコンシェルジュを常駐させるほか、セキュリティや災害への備え、多目的スペースを設置することで生活サービスと街自体のステータスの向上を目指しています。将来的にはコンシェルジュに65歳以上の方を積極的に採用するなど雇用機会の拡大にも挑戦していきたい。

【オールセキスイで地域活動展開】

Q創業以来、地域と共に歩んでこられた御社ですが、今まで行ってきた連携事業をお教え下さい

まず、住まいの安全性を高めるために警察と共に防犯活動に取り組んでいます。また、地域貢献の一貫として前橋市の保育所に太陽光パネルを寄付し、20年間にわたり売電益を子育て支援に活用していただく「kidsニコニコプロジェクト」や、ローズタウンの未利用地を活用した「コスモス&そば祭り」を行っています。これからは、スポーツイベントも積極的にやっていきたい。群馬には積水化学工業の群馬工場やセキスイボード(株)、東都積水(株)など多くの関連会社がありますから、各社と協働し「オールセキスイGUNMA」で地域活動を展開していきます。

Q情報発信基地として本社ビルではどのような取り組みを行っていますか?

ギャラリーやレンタルルーム運営、現代アート展の開催など独自企画を行っています。本社ビルには年間2万人が訪れますが、ご来場いただいた方に「セキスイハイム」という社名を知ってもらえるメリットは大きく、ブランド構築にも非常に有用です。今後は「子育て」など企画の幅を広げていきたい。

【外部環境に左右されない組織に】

Qハウスメーカーを取り巻く環境は、世界情勢や災害など外的要因で目まぐるしく変化しますが、どう対応されますか?

消費税増税があるかないか、ポストオリンピックの景況をどう捉えるか、先行き感は全く不透明ですが外部環境に左右されない経営基盤を作り、増収増益による事業成長を継続することが何より大切です。経営基盤は人材力。その人材力を量、質ともに向上させ、サービスと品質の差別化をし、地域にゆるぎないブランドを構築することで、乗り切っていきたい。

Q群馬の皆さんにメッセージをお願いします

当社の合言葉は「LET’S FIGHT for ONE HEIM GUNMA」。ワンハイムにはオンリーワンやシェアNo1、そして「組織が一つになる!」という熱い想いが込められています。創業45年。企業理念に基づき、今以上に群馬の住宅産業を発展させ経済消費や雇用、福祉など地域の活性化につながるよう、組織一丸となって頑張りますので、よろしくお願い致します。

文・中島美江子

【プロフィル】Yamashita Masahiro
60年香川県生まれ。85年、早稲田大学商学部卒業後、同年に積水化学工業株式会社に入社。2013年に東京セキスイハイム株式会社常務取締役、14年にセキスイハイム東北株式会社代表取締役社長に就任。15年、積水化学工業株式会社住宅カンパニー営業推進部長を経て現職。高崎在住。

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