群馬銀行グリーンウイングス 髙橋悠監督  [育成力発揮し、2部連覇達成 V1昇格へ向け始動](Vol.2)

バレーボール(V.LEAGUE)

昇格を目指すグリーンウイングスのメンバー

女子バレーボールV.LEAGUE V2(2部)の群馬銀行グリーンウイングスが先月、今季の戦いを終えました。目標のV1昇格は逃しましたが、「2年連続リーグ優勝」など一定の成果を残したシーズンでした。他方、グリーンウイングスもそうですが、いくつかのチームでコロナの陽性者が出たほか、シーズン途中で出場を辞退するチームも出て大会方式が急遽変更になるなど、いつもとは違う難しいシーズンでもありました。

そんな中、チームを優勝に導いたのが、就任1年目の髙橋悠監督でした。髙橋監督は「V1の壁は大きかった。それでも1年間、選手が積み上げてきたものが通用する場面も多々あり、昨季よりも成長を感じます」と振り返っています。

髙橋監督は、V1女子の強豪チームに加え、第20回アジア大会で金メダルを獲得した、若手主体の女子日本代表チームで、コーチを務めるなど抜群の指導実績を持つ人物です。監督を請け負うのはグリーンウイングスが初めてですが、技術面、精神面で選手たちに成長を促しリーグ2連覇へと導きました。

昨シーズンと比べて特に変わったのは、選手たちの自主性です。昨季は、事前対策を試合でキッチリ遂行することで勝利を重ねましたが、試合中の状況変化に弱く悪い流れを断ち切るのが苦手なチームでした。しかし、今季はコート内での選手同士の会話が増えたことに加え、控え選手もタイムアウト時に積極的に声をかけていました。個々が思う事、感じる事を言葉で伝え合うことで劣勢を挽回し、勝利につなげられるチームへと変貌を遂げていく様子が印象的でした。

指導をする髙橋監督

髙橋監督は自主性を重んじる理由について「ある程度失敗はしてもいい。何も考えないで失敗するのではなく、勝つためにどう行動するのかが大事。その選択肢を持つことが、次の経験につながるからです」と説明しています。これらの考え方は、選手育成に長けたプロ野球の名将・故 野村克也監督による多数の著書から学んだといいます。実は、中学生まではショートで活躍する野球少年だったそう。好きな球団はソフトバンクや広島で、いずれも育成力に優れたチームです。選手と向き合いその良さを最大限伸ばそうという思いがあることを物語っています。

チームに「成長」と「結果」を同時に求めることはリーダーとして必要不可欠で、決して簡単ではありませんが、監督は絶妙なバランスでチームを率いました。連休明けにチームは新体制で始動します。選手たちの長所をさらに引き出し悲願を達成させることができるか!?「目標に向け再チャレンジしたい。それだけです」髙橋監督の育成力に注目です。

笹川裕昭
Sasagawa hiroaki

1978年3月28日生まれ、埼玉県さいたま市出身、大東文化大卒。ラジオ局エフエム群馬で、アナウンサーとして、スポーツ実況や朝夕のワイド番組に出演。現在は、株式会社フットメディアに所属し、スポーツ実況を中心に県内外で活動。個人サイト「SASAnote」(https://sasanote.net/)を運営し、県内スポーツの情報発信も行う
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