羽ばたけ!! 渋工高・自動車研究部

省エネレースで全国3位‼

明日22日は栃木で大会、30日は地元イベントに参加

同部が1998年から出場する秋田の電気自動車全国大会は、支給された規定のバッテリーを自作の車両に積み2時間の走行距離を競うもので、先輩から代々受け継いだ2台「Lightning(ライトニング)」「Crescent(クレッセント)」がエントリー。両車とも基地と通信しながら往復6㌔のコースを周回した。クレッセントは途中、通信トラブルに見舞われながらも、総走行距離73・834㌔の記録で16組中3位を獲得。ライトニングは、タイヤのパンクにより完走はできなかったが59・336㌔、9位と健闘した。

現在は22日の栃木でのホンダエコマイレッジチャレンジもてぎ大会に向けマシンの調整を行う。同大会では、1㍑のガソリンでどれだけ走ったかを計算し、最も低燃費で走ったチームが優勝する。燃費を抑えるため、加速後エンジンを切り惰性走行、これをゴールまで繰り返し行う。今回、2台中1台はより小さく軽い車体を新調した。古宇田脩斗部長(3年)は「惰性時、いかに速度を維持できるかがカギ。タイヤの向きや空気抵抗などを工夫し、1㍑あたり1500㌔の燃費を叩き出し表彰台を狙いたい」と意気込む。

秋田での全国大会で3位の表彰を受ける自動車研究部の部員(右の二人)

大会以外に、地域のイベントにも積極的に参加。30日は、同市で開かれるトヨタ自動車主催のラリー会場で、秋田と栃木で走行した車両を展示。実際にエンジンをかけたり競技について解説したりする。全国から集まったトヨタ車が迫力の走行を披露する同イベントには、同社の豊田章男社長もたびたびドライバーとして参戦。一昨年は一緒に記念撮影をしたり、部員の解説を聞くなど交流を深めた。

渋川工は県内で唯一「自動車科」を有する高校。構内には専門棟が設置され、整備士を目指す生徒らが車の構造やメンテナンスについて実践的に学べる環境が整う。自研の創部は82年。現在30人が在籍し、大会に備え車両制作やデータ集積などを行っている。古宇田部長は「設計から開発、整備まで全て自分たちで行うので、まるで一つの自動車メーカーにいるようで楽しい」とほほ笑む。

部の特色について顧問の栗田裕文教諭は「生産現場における心構えや、データをどう判断し生かすかなどの知識も身につく。地元の企業やOB、保護者らのおかげで活動できていることへの感謝の心なども自然と育っています」と話す。

日々研究を深めるとともに人間的な成長をも遂げる渋工自動車研究部は、日本のものづくりの一翼を担うべく、未来へ向かって羽ばたき始めた。

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