自分ごと [新型コロナウイルスの感染拡大で、北海道旭川市では…]

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新型コロナウイルスの感染拡大で、北海道旭川市では地域医療の中核を担う基幹病院まで外来診療や手術の停止に追い込まれました。地方医療体制の限界が浮き彫りになり、日本医師会長は「全国どの市町村でも起こる可能性が非常に高い」と警告しました。

県内でも医療従事者のみなさんが感染リスクと闘いながら、増え続ける患者と懸命に向き合っています。迫る「医療崩壊」の危機を「自分ごと」と受け止め、感染を広げない対策の徹底が大事です。

家庭内の感染防止策で、冬本番の北海道版の記事では建築の専門家が「換気と湿度管理」を強調していました。2003年の建築基準法改正で新築住宅には「24時間換気システム」の設置が義務づけられ、2~3人の家庭ならば十分な換気量を確保できるといいます。設備のない住宅も換気扇を「強」で回し続ければ代用できるとのこと。

4人以上の家庭や1部屋に複数人が集まる場合に有効なのが「2段階換気」。人が集まる部屋の隣室で暖房をつけて窓を開け、人のいる部屋との間に空気の通り道を作ると、暖められた外気で室温低下を最小限にできるそうです。換気扇などで古い空気の逃げ道作りも忘れずに。湿度は40%維持が目標。室温が高すぎると加湿器でも十分な湿度を保てないようです。

とはいえ、室内の寒さで体調を崩しては元も子もありません。重ね着などで防寒と感染対策を両立し、この冬を乗り越えましょう。

(朝日新聞社前橋総局長 本田 直人)

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