詩の街・前橋で言葉通して社会と向き合う(Vol.172)

観客を限定して開いている詩の朗読会=前橋のフリッツアートセンター

前橋を拠点とする「芽部」は、2011年7月に結成されました。以来、前橋の街中を拠点に文化芸術の質の向上と裾野の拡大を目指し、様々な文化活動を展開しています。

代表を務める私が詩人であることから、詩を中心とした活動が主になっていますが、詩は他の表現との親和性が極めて高いことから、美術や音楽、写真、ダンスなど、様々な表現者が集い、活発にコラボしています。

活動場所は前橋文学館やブックカフェバー「月に開く」、ライブハウス「COOLFOOL」、まちなかコミュニティサロンといった街なかを中心に、絵本店「フリッツ・アートセンター」や喫茶店「虫の音」、そして県内外でもイベントを企画しています。大きなイベントとしては、2014年にスタートした「前橋ポエトリーフェスティバル」(5月)、2015年にスタートした「まえばし猫町フェス」(10月)を、毎年15日間の会期で開催しています。

この二つのフェスでは中央通り商店街の皆さんと連携し、商店のショーウィンドウに詩と写真を展示する「街なか展覧会」を始め、ヤギカフェやモモヤでコラボメニューを提供するなど、表現活動に理解のある前橋だからこそ開催できるイベントを展開。支えてくださる皆さまには、いつも感謝しています。

今年はコロナ禍の影響により、3月以降のすべてのイベントが中止になってしまいましたが、7月からはフリッツ・アートセンターを会場に、「観客1組だけの朗読会」「観客5人以内の朗読会」「とおくてちいさな朗読会(観客7人以内)」と、タイトルと観客数を変えながら、ウィズコロナの活動を模索しています。

オンライン朗読イベントも増えていますが、芽部としては対面のライブを大切にしたい。演者と観客が場を共有して生み出す関係性、顔が見える関係性を大切にしたいからです。逆境にあっても、文化芸術の灯を守り続けたいです。

「芽部」代表
新井 隆人

【略歴】前橋生まれ。詩人。「芽部」代表として、「前橋ポエトリーフェスティバル」「まえばし猫フェス」など、様々なイベントを企画。詩をテーマにした活動に取り組む一方、ミュージシャンとのコラボユニット「The Eyes」「軋轢」「くぽんぽん」「ロッテンクラムチャウダーズ」やソロでポエトリー・リーディングも行う

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