世界遺産の構成資産となった田島弥平旧宅がある伊勢崎市境島村は、埼玉県の本庄市や深谷市に隣接しています。また、本庄市や深谷市にも、田島弥平旧宅や絹産業に関連する資産が残っていることから、隣接する両市との連携を図りつつ観光客の周遊性を高める取組を進めています。
本庄市内には繭や生糸を貯蔵するため、1896(明治29)年に建てられた旧本庄商業銀行煉瓦倉庫(国登録有形文化財)があり、今年度は耐震改修工事が進められています。今月2日と3日には、現場見学会が開催され、大勢の見学者が改修後の活用に期待を寄せていました。また、深谷市内には富岡製糸場建設に携わった渋沢栄一の生地や記念館、富岡製糸場初代場長であった尾高惇忠の生家があります。今月8日には、「田島弥平旧宅秋の特別公開」と「渋沢栄一翁の史跡をめぐる2015」が同日開催され、連携したPRが行われたところです。田島弥平旧宅への観光客が、本庄市や深谷市の近隣関連資産を周遊していただければ、絹産業の歴史をより深く理解していただけるのではないかと考えています。
こうしたことから、本庄市や深谷市の関連資産については、田島弥平旧宅案内所や島村蚕のふるさと公園に設置した総合案内板の中でも紹介することにより、観光客が周遊しやすくなるようにしています。観光客へのおもてなしを実施している島村蚕のふるさと会の方によると、最近は「田島弥平旧宅の見学が終わったら、埼玉県内の関連資産も見に行きますよ」という観光客が増えているとのことでした。
今後は、田島弥平旧宅の近隣関連資産を有する本庄市や深谷市との連携を一層深め、観光客の周遊性を高めることにより、より多くの方々に満足していただけるよう努めていきたいと考えています。